歯周病の原因
歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる歯垢です。
プラークは、歯磨きの際の磨き残しなどが溜まったものですが、これが放置されているとどんどんたまって石のように硬くなり、一度そうなると歯ブラシでは落とすことの出来ない歯石になってしまいます。
このプラークの中には、歯周病菌がいますから、それが溜まった状態になっていると、その部分の歯茎から炎症を起こし始めてしまうのです。
歯石は表面がざらついているため、さらに歯垢を溜めやすくなると言う悪循環に陥ります。
この大元の原因は歯磨きにあります。
歯磨きはできれば食事の都度行うのが理想的ですが、毎食後に歯磨きをしていても歯石がたまる人が多いのが現状で、つまり、正しく歯が磨けていないという事になるのです。
その原因の多くは、歯並びや虫歯にもあります。
歯並びが悪いと歯ブラシが上手く届かなかったり、上手に磨けずに磨き残しが出来てしまいます。
また、虫歯の治療で行った被せがあっていないと、やはりその隙間に歯垢がたまりやすくなってしまいます。
そもそも虫歯は、磨き残しが原因で起こるものですから、その周りは歯磨きが上手くできていないと言うのが分かりますよね。
最近は、歯医者さんで歯磨きのトレーニングや指導を行っているところが多く見られますから、そういう所で一度は指導してもらうとよいでしょう。
歯周病を予防するためにも、定期的に歯石のチェックをし、取り除くために通院することが推奨されています。
歯肉炎と歯周炎
歯周病は、大きく分けて歯肉炎と歯周炎に分けることが出来るのですが、その違いは病気の進行度合いです。
簡単に言えば、歯肉炎が進行すると歯周炎になるという事ですが、その両方を総称して歯周病と呼んでいます。
歯肉とは歯の周りの肉ですから、つまり、歯茎をさします。
ごくごく初期では、歯肉(歯茎)から歯磨きの際や堅いものを食べた際に出血する程度なのですが、少し進行すると、この部分が赤く腫れたり、歯茎の色の血色が悪くなってきます。
この頃の自覚症状といえば、軽い出血程度なのですが、ここで気が付いて治療を始めれば、治療は比較的簡単です。
しかし、進行して歯周炎に発展してしまうと、治療は大変困難になり、最終的には抜歯せざるを得ないことも多々あります。
歯周炎には、主に30代くらいで始まる成人性歯周炎・発症するのが若者~30代前半までで、進行が早い早期発症型歯周炎・遺伝的な原因が多いといわれ、主に乳幼児で発症する思春期前歯周炎・若年層(10代~20代前半くらい)に見られ、遺伝的要素が多いとされる若年性歯周炎・20代前半~35歳前後に発症し、進行が早く、急激に悪化する急速進行性歯周炎・治療効果が見られず、改善してもすぐに再発してしまう難治性歯周炎など、様々な種類があります。
一口に歯周病と言っても、症状やその程度には違いがありますが、とにかく少しでも早期に発見して、治療開始することが一番重要なのです。
歯周病の症状
歯周病とは、歯の周りに起こる病気の総称なのですが、大きく歯肉炎と歯周炎の二つに分けられます。
歯周病の初期は、ほとんど自覚症状が無いといわれているため、気が付いた時には悪化していたというケースが多いのです。
一般的な初期症状としては、出血があげられます。
また、歯周病の一つである歯槽膿漏の場合には膿が出ますし、悪化した場合には歯が抜けてしまいます。
日本人には大変多い病気で、成人のおよそ80%が歯周病に感染しているとも言われているほどなのですが、気が付いていないケースがとても多い病気でもあります。
ですから、日本では、歯周病が歯を失う一番の原因となっているようです。
歯周病が悪化した場合は、歯科に通っても抜歯するしか無いケースもあり、自然抜歯でなくても歯を失う原因となるケースが多い病気なのです。
それに、歯周病は口臭の原因にもなるため、出来るだけ早いうちから対策を講じておく必要があります。
歯周病の治療は困難で、完治は難しいとされていますから、予防が一番効果的といわれている病気です。
初期ではほとんど自覚がありませんが、ちょっとした出血でも歯周病を疑って早めに通院するのが理想的でしょう。
特に、歯磨きの際の出血を見逃さないようにすることが重要です。
しかし、場合によっては歯磨きが適切でないための出血もあります。
硬すぎる歯ブラシでゴシゴシ擦りすぎていたら、出血しても当たり前です。
日頃からそういう癖が付いていると、実際に歯周病で出血しても気が付きにくくなりますので気をつけましょう。