発達障害 症状
発達障害の症状については、人によって個人差が大きいですが、代表的なものとして、
・言葉が遅い
・首がいつまでもすわらない
・極端な偏食や服装などへの執着に近いこだわり
・集中力が続かない
・何かに集中すると声をかけても気がつかないほど没頭する
・一人遊びが好きで、他の人とのコミュニケーションがとれない
・常に体を動かしていて、じっとしていられない
・ごっこ遊びができない
・順番が守れない
・他の人の邪魔をしてしまう
・すぐにキレて、暴力をふるう
・読み書き、計算、推論などができない
・オウム返しが多い
・会話が成立しない
・人が話し終わるのを待ちきれず、さえぎって話し始める
・不器用で運動が苦手
・人の表情が読み取れず、思ったことをそのまま口に出してしまう
などがあります。
医師の診断を受けて具体的な診断名をつけられたけど、自分には(もしくは、自分の子供には)その診断名に特徴的な症状はあまりないように思うという場合は、他の医師の診断を受けてみるのも一つの方法です。
個人差がとても大きい発達障害は、診断名を特定することが難しく、そもそも、発達障害なのかの判断も専門医でないと難しいでしょう。
診察を受けた時期に一番特徴的だった症状に当てはめて、診断名がつけられることもあるようです。
発達障害による症状が出ていても、その程度が軽い場合、周囲には、「ちょっと変わった子」、「付き合いにくい子」と思われて、本人の生きにくさや孤立感、苦悩などは理解されないまま、大人になってしまうこともあるでしょう。
周囲の無理解によって傷つけられて、うつなどの二次症状が起こり、その二次症状で診断されてしまうこともあるようです。
発達障害とは
発達障害とは、平成17年4月1日に施行された発達障害者支援法の定義によると、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」です。
発達障害は、先天的要因がほとんどで、後天的な場合も疾患や外傷の後遺症が要因のため、両親の育て方や愛情不足が要因になることはありえません。
米国精神医学会の「精神障害の診断と統計の手引き」によると、発達障害とは、
・精神発達遅滞(知的障害、知能障害ともいう)
・学習障害(LD)→読字障害、算数障害、書字表出障害、特定不能の学習障害
・運動能カ障害→発達性協応運動障害
・コミュニケーション障害→表出性言語障害、受容一表出混合性言語障害、音韻障害、吃音症、特定不能のコミュニケーション障害
・広汎性発達障害→自閉性障害、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー症候群
・注意欠陥多動性障害→混合型(不注意型と多動衝動型の混合)、不注意優勢型、多動性一衝動性優勢型、特定不能の注意欠陥多動性障害
となります。
発達障害を持つ子供は、成長するにつれて、他の精神疾患や身体的合併症を併発することもあります。
発達障害を「障害」ではなく、「子供の個性」と捉えて、発達障害を持った子供の社会的自立を支援している団体も存在しますが、社会に上手く適応できない子供も少なくありません。
発達障害 成人
発達障害は症状の程度がごく軽度で、周囲の環境に恵まれれば、問題なく成人を迎えることもあります。
アスペルガー症候群などは、最近まであまり知られていなかったので、本人も気づかないまま、成人になっている例も多いです。
過去の偉人や有名人の中にも、アスペルガー症候群ではないかと噂されている人がいますが、真偽を確かめることはできません。
ビルゲイツやスティーブン・スピルバーグなどが、アスペルガー症候群だと診断されたといわれています。
発達障害に気づかずに成人になった人の中には、成人になってからも残る発達障害の症状のために、学業や就業が長続きせず、引きこもりになったり、就業しているものの人間関係に悩んでいる人も少なくないそうです。
うつ病、解離性障害、摂食障害などの二次症状が起きて病院に行き、そこで初めて発達障害があったとわかるケースもあります。
しかし、大人になってからの発達障害の治療法はあまり確立されていないため、二次症状に対する対症療法的な治療しかできないことも多いのです。