動脈硬化とストレスの関係
ストレスと動脈硬化には密接な関係があるというのが、最近では一般的な認識になっています。
でも、実際にストレスがどれだけ動脈硬化と深い関係があるのかという事に関しては、案外危機感を感じていない人の方が多いようです。
ストレスとは、「精神的に感じるあまり好ましくない状況」という認識の人がほとんどでしょう。
これといった明確な境界線がないため、どの程度の精神的苦痛がストレスと呼べるものなのかというのが曖昧なのも危機感を感じにくい理由の一つでしょう。
大人だけでなく子供でも、日々何らかのストレスには晒されていますし、同じ状況に陥っても人それぞれ感じ方は様々ですから、激しい苦痛と感じる人もいれば、大したことではないとほとんど苦にならない人もいるものです。
ですから、「何がストレスか、どの程度なら動脈硬化の進行に関わるほどであるのか」というのは医者でも説明出来ません。
ですが、精神的なストレスが実際に肉体的な変化をもたらすのは事実です。
それは本人に自覚症状がないだけで、ストレスを受けると人間の体内では変化が起きているからです。
ストレスによって、交感神経からはノルアドレナリンという物質が分泌されます。
ノルアドレナリンには心拍数を上昇させる働きがあるため、血圧が上昇します。
つまり、この状態が長期間続くと、結果的に心臓に多大な負担をかけることになりますし、血管にも負担をかけることになり、動脈硬化を進行させてしまうのです。
動脈硬化の症状
動脈硬化は、動脈が硬くなってしまう症状のことをいいます。
その原因は主にコレステロールで、血液中のコレステロールが多いと、徐々に血管の内側に溜まっていき、そのために動脈の血管が徐々に分厚くなっていき、硬くなってしまいます。
動脈は体中に血液を送る太くて重要な生命に関わる血管ですが、その血管がコレステロールなどが溜まることによって硬くなってしまうと、血液の流れが悪くなります。
コレステロールは血管の内側に溜まっていくので、血管が硬くなるだけではなく、血管の血が通る部分が細くなってしまうのです。
このため、スムーズに血液が流れなくなり、様々な症状を引き起こす原因となります。
これらの症状は、日常生活を送っている状態では本人に自覚症状がほとんどなく、全く気がつかずに生活している人が多い生活習慣病の一つです。
動脈硬化は、生命に関わるような重大な疾患を併発したり、突然大きな症状が現れて初めて気がつくことも少なくありません。
動脈硬化が引き起こす病や併発しやすい病は、命に関わる重大な症状であることが多いため、出来るだけ早く発見して治療を行ったり、病状が悪化しないように生活習慣を改善する必要があります。
特に、肥満傾向の方や中高年の方は、なるべく率先して健康診断を受けるようにしましょう。
血管が硬くなるといっても、その症状が現れる部位は人それぞれですから、自分で血管を触って判断出来るというようなものではないのです。
動脈硬化から繋がる病気
動脈硬化は、動脈の内側にコレステロールが溜まって、血管が細く、硬く、脆くなる病気です。
コレステロールなどが血管内に付着することで血管内が細くなり、それによって血管が厚くなるので硬くなり、血管の弾力性がなくなるために脆くなります。
動脈硬化になると、他の様々な病気を併発しやすくなるので、とても危険な病の一つです。
血管が細くなってしまうと、血液を全身にスムーズに送れなくなるので、心臓にかなりの負担がかかるでしょう。
常に心臓がフル稼働しなければならないような状態になった場合、色々な心臓疾患を引き起こす引き金となってしまいます。
例えば、高血圧症や心肥大、心不全などです。
また、血管が細くなることで、栄養や酸素が十分に体中に回りにくくなりますから、特に体の末端部分で様々な障害が出やすくなり、手足の血行障害が起きたり、腎不全を引き起こしたりします。
さらに、血管が細くなってしまうことで、詰まりやすくなるのです。
血管が詰まったりすると、脆くなっている血管が破けて出血してしまいます。
その症状が出る部位によっては、心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、大動脈瘤破裂など、即生命の危機に陥る危険性が大変高くなります。
なんとか生命を維持できたとしても、その後に大きな障害を残してしまうことが多いのは、今さら説明するまでもないことでしょう。
しかし、動脈硬化はほとんど自覚症状がないため、最悪の状況に陥るまで気がつかないことも少なくありません。