うつ病の種類
一口にうつ病と言っても様々で、その発症の原因や症状・経過などにより分けられているのですが、実はその全てが解明されているわけではありません。
例えば、これまでうつ病は真面目で責任感の強い人が罹りやすいと言われていました。
また、怠け癖ではない・ワガママ病ではない証拠に、「原因となった嫌な事」が排除されても、その病状から開放されるわけではないケースがほとんどでした。
ですが、最近では、「嫌な状況から開放されている間は普通に過ごせる」という「新型のうつ病」が主に若者の間で流行りつつあります。
この新型のうつ病は、仕事など自分が嫌だと思っている状況の時はうつ状態になり、自分がやりたいことをやっている時にはうつ状態にはなりません。
この新型のうつ病の場合は特に、周りからも、「ただの我侭病・忍耐力がない怠け者」と捉えられてしまうケースが増えているようですが、うつ状態の時のつらさは従来のうつ病と変わらないのです。
うつ病には、大きく分けて三種類あります。
内因性うつ病、身体因性うつ病、心因性うつ病です。
何らかの精神的負担やストレスが原因で発症するものを心因性うつ病、肉体的な病や怪我によって引き起こされるもの(例えば、事故で半身不随になったり、余命いくばくもないと知らされたりなど)を身体因性うつ病と呼びます。
うつ病には、本人にもその原因がよくわからないケースも多々あり、そのような症状を内因性うつ病と呼んでいます。
うつ病の治療法
うつ病の治療法は、現時点では基本的に薬物療法とカウンセリングです。
薬物療法では、各人の症状や原因に合わせて、抗うつ剤・精神安定剤・睡眠導入剤・食欲増進剤・漢方薬などを精神科医が処方します。
薬の種類は様々あり、人によって効き目が違ったり、全く効かなかったり、副作用が出たりするので、それらを問診しながら精神科医が薬を変えたりしながら回復を目指します。
しかし、心因性の原因がある場合には、患者の話を聞いたりカウンセリングを重ねることで病状が軽くなるケースもあるため、カウンセリングを同時に行うケースも少なくありません。
ある程度うつ病が回復してくると、「認知療法」が効果的だと言われています。
各人に合わせたスケジュールや規則を作り、それらを少しずつでも実行出来るように頑張り、本人がすべての項目について「どの程度できたか?」の判定を自らつけて自分の行動を見直していくものです。
ですが、うつ病は、何年も何十年も通院しても一向によくならない人も多いのが現状です。
また、うつ病になると、多くの場合、職を失うことになるので、金銭的に余裕がなくなり、生活費さえままならない状況に陥ります。
それが新たなストレスやプレッシャーとなり、病状が悪化したり、生活優先で通院に掛ける費用が捻出出来ず、ますます悪化するケースも増えているようです。
近年では、脳内物質をコントロールするサプリメントなども販売されていますが、価格が高く、保険もきかないので、なかなか常用するのは難しいでしょう。
うつ病とは
うつ病は「心の風邪」などという言われ方をしますが、風邪のように簡単に治るような病ではなく、何年・何十年と闘病生活を送る人も少なくない心の病です。
症状としては、著しい気力の低下から、食事をしたりトイレに行ったりすることさえ億劫になり、寝たきり状態になることも少なくありません。
また、生きている気力さえ失う人も多く、何もできない自分を蔑む気持ちから自殺願望が強くなったりする傾向が強い病気です。
実は、うつ病は「心の病」と言われながらも、本当は脳内物質の不足や、脳内物質の伝達機能がうまく働かないことが一因となって起こる病です。
ですから、自殺願望などないのに、突発的に電車や車の前に飛び込んでしまうというような自殺もあるのが恐ろしいところです。
うつ病では脳内物質を補うような薬を処方したり、カウンセリングを行うことが主な治療となっています。
うつ病の原因は辛い状況が続いたことばかりではなく、場合によっては進学や昇進・結婚といった、本人にとって嬉しい状況が原因で起きることもあります。
そのような場合には、本人の喜びの感情が強いためになかなかうつ病であることに本人自身も気がつかないことも多いです。
それに、何となく気がついても気づかない振りをしたり、気のせいだと無理やり思い込もうとしたりすることもあるでしょう。
精神科に通うことを嫌悪してなかなか通院せず、症状が悪化してしまうケースも少なくないので注意が必要です。