難聴を薬で治療
難聴には、薬によって治療できるものがあります。
難聴に効くといわれている薬は、種類もたくさんありますが、それによって、効果も副作用も変化します。
ここでは、特によく用いられるものを紹介していきます。
まずは、難聴の症状を緩やかにする効果のある、副腎皮質ホルモン薬。
これはいわゆる、ステロイド薬ですね。
「プレドニン」「メドロール」「リンデロン」などが代表例です。
副作用としては、ムーンフェイスや感染症への抵抗力の低下、カルシウム減少などがあげられます。
ムーンフェイスとは、顔がステロイドによってむくみ、パンパンに腫れあがる事です。
満月のようにまん丸な顔になるので、そう呼ばれています。
次は、感音性難聴やメニエール病によく用いられる、浸透性利尿剤。
「イソバイド」が代表的です。
副作用には、眠れなくなる事や食欲の低下、頭痛などがあります。
そして、不安感をやわらげる作用がある、抗うつ剤。
「ドグマドール」「ルジオミール」などが有名です。
副作用は、眠くなる、便秘、口が渇くなどがあります。
この他にも、抗ヒスタミン薬や自律神経調整剤、睡眠薬やビタミン剤などがよく処方されます。
薬で治療をする際の注意点としては、医師の指示をきちんと守る事です。
用法用量を勝手に加減したり、服用をいきなりやめたりすると、効果が下がるだけでなく、症状を悪化させてしまう可能性があります。
薬を服用していて、何か不都合が生じたら、必ず医師に相談してくださいね。
赤ちゃん・子供の難聴の原因
難聴は、高齢の方に多いイメージがありますが、赤ちゃんや幼児にも起こる病気です。
難聴といっても、色々な種類があり、原因もそれによって様々です。
難聴は大きくわけると、感音性難聴と伝音性難聴に分類する事ができます。
感音性難聴は、内耳から大脳に音を伝える回路に、何らかの障害があるものです。
これは、完全に治す事はできません。
伝音性難聴とは、内耳だけでなく、外耳などの音を伝える器官に原因がある可能性があります。
こちらは、治療によってほとんど治す事ができます。
原因は、ほとんどの場合、特定できません。
考えられるものとしては、遺伝などによる先天性の事が原因の場合や、妊娠中に母親が感染症に掛かってしまった事が原因の場合などです。
低体重で生まれた赤ちゃんにも、難聴になりやすい傾向があります。
また、生後におたふく風邪や風疹、疱疹などによって耳の病気になった事がきっかけで起こるケースも少なくありません。
とにかく、難聴は早期発見が何よりです。
赤ちゃんや幼児は、耳の異常に自分で気づけないので、大人が気をつけて観察してあげないといけません。
大きな音にも反応が薄い、みえない場所から呼んでも振り向かない、音の鳴るオモチャに興味を示さない、テレビの音量が小さいと聞き取りにくそうにするなど、注意していると症状はみえてきます。
何もなければそれで安心ですから、ちょっとでも気掛かりな部分を発見したら、すぐに病院に連れていきましょう。
難聴と騒音・大きな音の関係
難聴になりやすい人といっても、難聴の原因には様々なものがあるので、完全に特定する事はできません。
つまり、難聴になる可能性は、ほとんどの方にあるんですね。
でも、特に、日常的に大きい音に耳をさらしている時間が長い人は、難聴になりやすいといえるでしょう。
耳は、鼓膜を振動させる事によって音を伝えますよね。
小さな音なら、振動は小さくなり、大きい音なら、振動は大きくなります。
人間の体は、基本的にどこも消耗します。
ですから、耳も、酷使していれば、寿命が縮まってくるのです。
耳が聞こえにくいと、さらに大音量になりますよね。
弱れば弱るほどに、消費を加速してしまうという事です。
最近は、音楽を大音量で聞きながら通勤や通学をしている方をよくみかけるようになりました。
若い人にも難聴が多くなっているのは、これも関係しているのかもしれませんね。
パチンコ店で働く方や、音楽関係の仕事をしている人も、同様に難聴になりやすいといえるでしょう。
何となく大音量にしていただけなら、意識して大きい音を避ければいいのですが、仕事だとそうはいきませんよね。
耳栓などを利用するのも一つの手ですし、それが無理なら、仕事以外の時間だけでも、耳を休ませてあげましょう。
少々聞こえづらくてもテレビを小さな音にしてみたり、音楽を聴く時間を減らしてみたり、できる範囲で気をつけてあげるだけでも、違ってくるはずですよ。