鼻を強くすすり過ぎない方が良い理由
鼻をすする行為は、鼻をすすることで鼻の中にたまった鼻水を除去するために普段から行っている方も多いと思います。
鼻水を吸い込むことによって、鼻腔内のつまっている感や不快感を取り除かないと、気持ち悪いですよね。
でも、鼻水は元々、鼻の中の雑菌を外へ出すためのものなのです。
それをすすることで鼻水が逆流し、喉を通り、飲み込んでしまうと、喉が腫れてしまう原因にもなりかねません。
それに、喉だけではなく、耳にも悪影響を与えます。
鼻をすすると、鼻と耳をつなぐ耳管を通して内耳から空気が抜けて、鼓膜がへこんだままの状態になります。
このような状態を繰り返し行っていると、耳に液がたまり、中耳炎になりやすくなったり、鼓膜が内側の壁に癒着する癒着性中耳炎にかかったりします。
他にも、一時的な耳管狭窄症になり、中耳炎を治りにくくさせる要因の一つにもなります。
特に注意していただきたいのは、普段は閉じたままのはずの耳管が開けっぱなしになってしまう耳管開放症と診断された方です。
この疾患を患っている方には、耳閉感を解消しようと鼻をすする方が多くいますが、鼻をすすることがさらに症状を悪化させてしまいます。
もちろん、鼻をすする人全員が中耳炎にかかるというわけではありません。
症状が出るかどうかは、鼓膜の薄さなどにより個人差があります。
でも、鼻をすするのが体によくないことは確かです。
いい年をして鼻をすするのは、みっともないことでもありますから早めに止めるようにしたいですね。
糖尿病・透析と難聴の関係性
糖尿病や腎不全の治療のために、長い間透析を行っている人に、難聴の症状が出ることがあります。
もし、難聴の症状が出てしまったら、その難聴が糖尿病や透析の影響なのか、もしくは耳や脳の異常によるものなのかをお医者さんに診断してもらってください。
糖尿病が難聴の直接の原因ではないことも考えられるからです。
しかし、長い間透析をし続けている患者さんに難聴の方が多いというのも事実です。
必ずしも透析を行っているから難聴になる、糖尿病を患っているからいずれ難聴になるとは限らず、あくまでも個人差があります。
逆に言えば、透析を始めて短期間の間に難聴の症状が出る可能性もあるのです。
難聴の症状が糖尿病による神経障害の一つだと診断された場合は、すぐに治療を受けましょう。
末梢神経拡張薬や血流改善薬などを用いて薬物療法を行っていき、症状を改善させていくというのが一般的な治療方法です。
でも、これは難聴に対する対処療法でしかありません。
糖尿病の根源である高血糖を改善しなければ、症状が悪化してしまうでしょう。
糖尿病と診断されたにも関わらず、治療もせずに20年間も放置していた人の約9割に難聴のような神経障害がみられるといわれています。
このような神経障害があらわれる前に、一刻も早く血糖値のコントロールをする必要があります。
糖尿病は様々な合併症のリスクが高い病気ですから、自覚症状がないからと甘くみて、きちんと治療しなければ恐ろしいことになってしまうでしょう。
薬が原因で難聴になる
病気の治療に使用する薬の副作用により、難聴を引き起こすこともあります。
薬の副作用により発生した難聴のことを、薬剤性難聴と呼びます。
難聴よりも先に、耳鳴りを感じるのが特徴です。
しかし、原因がわかっているからといって、そのまま放っておいてはいけません。
難聴を引き起こすような薬には内耳毒性があるため、両耳とも全く聞こえなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
薬剤によって起こる聴力の低下は、高音域から会話へ、そして低音域へと広がっていくようです。
時には、めまいやふらつき、頭痛、吐き気などを催すこともあるでしょう。
このような症状を感じたら、すぐに薬の服用を止める必要があります。
とはいえ、自己判断で薬の量を減らしたり、薬を変えたりするのは危険なので、いつも通っている病院や処方箋を出してもらった病院で相談してください。
難聴を引き起こす代表的な薬としては、結核の治療に使われているストレプトマイシンという薬があります。
この薬によって引き起こされる難聴をストマイ難聴とも呼びます。
その他にも、ゲンタマイシンなどの抗生剤や抗がん剤、リウマチに使われるサリチル酸薬や利尿剤によっても難聴が起こることがあります。
内耳毒性のある薬剤を服用する前には、検査を行うことをおすすめします。
服用前だけではなく、服用中も定期的に検査を繰り返し行うことで、副作用の発生を早期発見することが可能です。