肥満と糖尿病の関係
肥満だと糖尿病になりやすいと思っている人は多いかもしれません。
残念ですが、それは正解です。
現代人は、運動をあまりせず、食生活も脂肪が多い物を好むので、肥満気味の人が多いのです。
肥満の人は、軽い糖尿病になってしまうという事を心に留めておいた方が良いでしょう。
では、なぜ肥満だと糖尿病になりやすいのでしょうか。
それは、肥満というのは、ある種、体の異常だからです。
糖尿病は、体重が増えれば増えるほどなりやすい病気です。
糖尿病だけではなく、動脈硬化や生活習慣病にもかかりやすくなってしまいます。
怖い事を言えば、死亡率も高くなってしまうのです。
肥満は不健康そのものなのです。
肥満の人が糖尿病になってしまったら、最初の治療は体重を落とす事です。
たった5キロ落とすだけで、血糖値のコントロールやインスリンの効果がかなり違ってきます。
肥満の人が糖尿病になってしまった場合、標準の体重の人の治療方法とは最初の段階で変わってきます。
肥満の人が糖尿病になってしまった場合、まず第一に、食事療法で、2~3ヶ月かけて3キロ~5キロの体重減少を出来るように指導します。
肥満の人は食欲が旺盛な人が多いので、とにかく食べ過ぎないように心がけましょう。
食べすぎは高血糖を起こします。
肥満の人が糖尿病にかかってしまった場合は、必ず食事制限をしないといけないのです。
その他、運動も適度にするように心がけると良いでしょう。
できれば、糖尿病になる前に、肥満を解消したいものですね。
糖尿病と食後高血糖の関係
高カロリーな食事の後に高血糖になると思っている方も多いと思います。
しかし、カロリーと高血糖は直接の関係はないのです。
高血糖の約90%は、炭水化物を食べる事によって起こります。
食事に含まれる炭水化物の量をグラム単位で把握しておく事が、食後の血糖値を下げるには重要です。
パン生地のピザ台と、ピザのような高タンパク、高脂肪である食事を一緒に食べても、あまり食後の血糖値は上がりません。
しかし、タイムラグがあった後に血糖値が上がるので、次の食事の前にかなり高くなってしまいます。
食後の血糖値は、食前の血糖値が高いとコントロール出来なくなるので、食前の血糖値を目標内にしておかなければ食後の血糖値を抑える事は出来ません。
エクササイズも、血糖値のコントロールには大切になります。
「グリセミック指数」として話題になったように、炭水化物の質なども、食後の血糖値に関係してきます。
また、食材の種類や食材の調理法、食材の状態がどうなのかもかなり影響を与えます。
「グリセミック指数」は、バナナを毎日食べたとしても、そのバナナの熟成度や品種などによって変化してくるのです。
まとめると、糖尿病の方が食後の高血糖を防ぐためには、毎日の食事で摂る食物繊維の量を目標値に合わせる事が必要です。
2型糖尿病の方も、1食あたり50g~70gの炭水化物を食べるのが好ましいでしょう。
また、最近では高血糖を防ぐ健康茶やサプリメントが販売されているので、試してみるのもいいと思います。
糖尿病になりにくい食事
糖尿病になりやすい食事というと、ご飯などの炭水化物を思い浮かべる人が少なくありませんが、それは間違いです。
脂肪摂取の多い文明国ほど糖尿病の人が多く、炭水化物を多く摂っている国にはあまり糖尿病の人がいません。
この事から、炭水化物は糖尿病になりにくいと言えます。
伝統的な和食が日本人の食事だった頃は糖尿病の人は少なかったけれど、食事の洋風化が始まってから糖尿病の人が増えたように思います。
野菜を中心に食べている方が、高脂肪食を好む方よりもはるかに糖尿病になりにくい事は、はっきりとデータ化されています。
野菜は繊維質が多いので、血糖値を上げにくいのだと思います。
肉は脂肪が多いため、血糖値を上げてしまいます。
野菜に多く含まれる食物繊維は、腸からの吸収を妨げるので、高血糖を防いでくれます。
砂糖などの甘い物は、早く血糖を上げてしまうので、どうしても甘い物が欲しい時は、吸収の悪いソルビトールという糖が良いでしょう。
もちろん、アルコールは糖尿病には、絶対に好ましくありません。
糖尿病になりにくい食事として、昔は極端なカロリーの制限がされていましたが、これは長い目で見ると体に害を及ぼします。
カロリーは適度に摂って、内容を変える事が最も糖尿病になりにくいのです。
炭水化物や食物繊維を増やして、脂肪を抑える事が大切なのです。
糖尿病になりにくくするためには、適度な運動、適正な体重の維持、脂肪が少なく、食物繊維の多い食事が大事です。
あまり脂肪を取らずに、食物繊維を取るようにする事で、糖尿病はかなり防げると言えます。