睡眠時無呼吸症候群の検査方法
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中のことなので自分自身ではなかなか自覚することが難しいです。
以下のような症状や自覚があれば、病院に行って検査されることをおすすめします。
家族や友人・恋人などに、睡眠中、大きないびきをかき、呼吸が止まっている時があるといわれたことがある。
朝、目覚めた時に頭痛がしたり、日中極度の眠気に襲われたり、無気力でやる気が出ない。
最近、集中力や記憶力が低下してきた。
このような条件にあてはまるようなら、病院へ行きましょう。
病院で検査をする場合、上記であげたようなことをまず問診で聞かれると思います。
無呼吸症候群が疑われた場合、夜間の睡眠状態を検査するために入院が必要になるでしょう。
終夜睡眠ポリソムノグラフィーという睡眠状態をより細かく測定する検査を行うのです。
この検査では、主に脳波や呼吸状態、心電図、眼球や筋肉の動き、血液中の酸素飽和度、いびきの音量などを細かく測定していきます。
この検査で、深い睡眠がしっかりとれているか、無呼吸によって脳が覚醒していないかを判断します。
呼吸数なども検査できますから、一度の睡眠中に何回無呼吸状態になり、何秒無呼吸状態が続いているのかも正確にわかるのです。
様々な角度から検査をするため、色々なセンサーを装着して睡眠をとることにはなりますが、針をさしたりすることはないので痛みを伴うことはありません。
病院ですし、多少の窮屈さを感じることもあるでしょうが、なるべく普段と変わらない睡眠をとるためにリラックスして検査に臨むといいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群には、様々な原因があります。
一つは肥満のせいで、顎の周囲や首、舌や喉などの脂肪が厚くなり、気道が圧迫され、狭くなることです。
二つ目は元々の骨格によるものです。
顎が小さく後退している小顎症は上手く舌を収めることができず、これもまた気道を圧迫します。
三つ目は鼻に疾患があったり、咽頭扁桃部に異常が見られることです。
例えば、鼻の空気の通り道が湾曲していたり、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を持っていると、鼻の通りが極端に悪くなったりします。
咽頭扁桃や喉ちんこが炎症や肥大を起こすことも、睡眠時無呼吸症候群の原因になります。
軟口蓋といわれる鼻と喉の境目が垂れ下がることも気道を狭くさせ、睡眠時無呼吸状態を作り出します。
他にも、アルコールの摂取や薬の服用も睡眠時無呼吸状態を作り出すようなんです。
気道内の粘膜が充血・膨張を引き起こすのがアルコール。
このアルコールを摂取することにより、舌などの筋肉の緊張がなくなってしまい、気道が狭くなるのです。
さらに薬物を服用することでも筋肉の緊張がなくなり、気道は狭くなってしまうのです。
どんな薬物かというと、精神安定剤や睡眠導入剤、筋弛緩剤などがあげられます。
寝ている間に喉がふさがりやすい体質の人もいるそうです。
いずれも睡眠中に気道が圧迫されたり、気道が狭くなることが原因で、睡眠時無呼吸症候群が起こります。
一つ目の原因として肥満をあげましたが、肥満の方が絶対に睡眠時無呼吸症候群になるとも限らず、痩せている人でも起こりえる病気です。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、一晩(約7時間)の睡眠中に、10秒以上の呼吸停止状態(無呼吸)が30回以上起こったり、1時間以内に無呼吸状態が5回以上起こる病気です。
つまり、無呼吸状態が一回の睡眠時に何度も起こる症状をいいます。
睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸状態が続くことで十分な睡眠をとれないため、日中に極度の眠気に襲われたり、集中力が欠けたりするのです。
睡眠時無呼吸症候群が原因で、居眠り運転などを引き起こし、重大な事故に繋がる場合もあります。
新幹線のオーバーラン事件などで、認知度が高まりました。
また、特有の眠気もこの病気の特徴です。
起床時などに頭痛を感じるという症状もみられるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群が死亡の直接の要因になることはありませんが、睡眠時、症状が現れる度に、体に大きな負担がかかります。
循環機能にとって、酸素不足はかなりの負担になるので、高血圧や心不全、糖尿病など生活習慣病にも影響を与えます。
厚生省の発表では、低呼吸数が1時間の睡眠あたり20回以上起こる人の5年後の死亡率は16%です。
一見、あまり死亡率が高くないようにみえるかもしれません。
でも、睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、健康上、害を及ぼすのは間違いないのです。
「寝苦しい」「起きた時に十分な睡眠感を得られない」と感じた場合は、病院で診断してもらいましょう。
睡眠時無呼吸症候群は、早期に適切な治療や対策をとることがとても大切なのです。