切れ痔は慢性化する
切れ痔は、慢性化すると耳にしたことはありませんか?もちろん、一度の治療で完治し、再発しないケースもあります。
ですが、多くの方の場合、切れ痔になると、慢性化してしまうようです。
下痢により、排便に勢いがあり過ぎたり、頻便が原因で切れ痔になる事はあります。
しかし、切れ痔の原因は大半が便秘です。
便秘により、便が硬くなり排便が困難になり、無理にだそうとする事で、排便時に肛門が切れます。
その為、排便時には、裂けるような痛みに襲われる事が多々あります。
この痛みを避けようと、排便を避けるようになり、そのせいで便が余計に硬くなります。
そうなれば、その便の排出時には、さらに切れる事になります。
切れ痔は、これを繰り返し、悪化させる方が少なくないのです。
この悪循環におちいってしまうと、慢性化する可能性が極めて高いです。
とはいえ、切れ痔は、軟便剤や軟膏などを併用し、医師の指導に従って、便通の改善を行っていれば、そこまで怖い病気ではありません。
排便が正常になれば、再度切れる可能性はとても低いでしょう。
切れ痔じたいは、お尻の怪我みたいなものですので、治すのは簡単です。
たかが切れ痔と軽視する事が怖いのです。
悪化すれば、肛門狭窄になり一段と切れやすくなったり、癌になってしまうことだってあるのです。
そんな事にならない為にも、恥ずかしがらずに相談し、きちんと治療するように心掛けてくださいね。
痔になったら病院へ
切れ痔になっても、恥ずかしいからなどといって、病院へ行かない方がとても多いようです。
切れ痔は、お尻にできた怪我のような物です。
他の部分に怪我ができれば、自己判断で薬を塗ったり、自然治癒を待ったりしますよね。
もちろん、程度の軽い物であればですが。
それと同じように、切れ痔も、専用の軟膏や座薬が薬局などで手に入るので、そのような薬で治そうとする方はたくさんいます。
確かに、そのような薬で、切れ痔を手当てする事はできます。
しかし、切れ痔は、原因があってできる物。
便秘などで、便が硬くなり、それによって切れるケースが多いのですが、その場合ですと、傷じたいを手当てしても、意味がありません。
便が固い限り、また切れてしまいます。
このケース以外でも、基本的には同じ事です。
原因を探り、それを元から治さないと、再発します。
切れ痔は、放置していると慢性化し、イボやポリープができる事もあります。
ひどくなると、肛門が正常に働かなくなる事まである油断ならない病気なのです。
ただし、軽度のうちに治療をすれば、そのような事は予防できます。
専門家による、きちんとした診察と処置を受ける事、そして、切れ痔だけでなく、原因である問題を根本からなくす事、これがなにより大切です。
便秘の治療ひとつでも、滞留便の場所によって治療法は変わるのです。
市販の便秘薬ではなく、病院で自分の症状に合った薬を処方して貰う事をお勧めします。
痔と出産
妊娠や出産をきっかけに、痔になる方がとても多いそうです。
妊娠中に特に多いのが、「内痔核」というタイプ。
妊婦生活が長くなるにつれ、赤ちゃんは成長します。
それと同時に、子宮もどんどんと大きくなりますよね。
そうすると、その重みで、肛門や腸の静脈に圧力が掛かってしまうんです。
圧力が掛かると、うっ血が起こるので「内痔核」ができる可能性が高くなります。
また、妊娠中は、赤ちゃんに栄養がたくさん行きます。
繊維や水分を、意識して摂っていても、便秘になる方はすごく多いんです。
便秘になると、便が硬くなり、排便がスムーズではなくなります。
それによって、「裂肛」になったり、「痔核」になったりします。
この他にも、出産時にいきみなどが原因で「脱肛」を起こす事もあります。
このように、妊娠・出産には、痔は珍しい事ではありません。
「妊娠・出産がきっかけで痔になったか?」というアンケートを行ったサイトがあり、そこで、「ならなかった」と答えた経産婦さんは、四割程度という結果でした。
健診などで、妊婦さんが痔の相談をする事もかなり多いのです。
浮腫みや貧血などと同じで、妊娠中はマイナートラブルとして便秘や痔はよくある事なんですね。
妊娠中に痔になると、出産のいきみに影響がでる事もあります。
内診のついでにでも、さらっと相談してみてください。
痔は、全然恥ずかしい事ではありませんし、早く対処しておけば治りも早く、出産の時も安心です。