不妊 治療
不妊検査で不妊の原因がわかったら、不妊治療を行います。
といっても、本人が希望しなければ望まない不妊治療はされないので、安心してください。
治療方法によってはリスクがあることもありますから、事前にしっかりと説明を受け、疑問に思うことがあったら積極的に質問しましょう。
例えば、不妊治療では排卵誘発剤がよく使われますが、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群になってしまう可能性もあるのです。
不妊検査と治療を兼ねたラパロ(腹腔鏡手術)では、お腹に小さな穴を開けて、妊娠できない理由を精密に検査します。
卵管の癒着や子宮内膜症などの原因が発見できた場合は同時に治療も行いますから手術を受けた後の数ヶ月は妊娠しやすくなるでしょう。
初歩的な不妊治療としては、タイミング療法があります。
基礎体温をつけて排卵のタイミングを知り、妊娠しやすいタイミングで性交を行うというものです。
もっと正確に排卵の有無を調べたい時には、排卵検査薬を使うといいかもしれません。
ただ、排卵してから性交してもタイミング的には遅いので(卵子の寿命は8時間程度しかない)、排卵を予測して性交するのがよいとされています。
精子の寿命は二日から三日といわれていますから、排卵期に入ったら一日か二日おきくらいに性交しておきたいものです(毎日だと精液中の精子量や運動率が減少してしまう可能性が高くなります)。
タイミング療法は手間はかかりますが、それほど費用がかからず、効果が高い不妊治療法です。
ただ、いくら子供がほしいと思っていても、決められた日や人にいわれて性交するのを好まない男性が多いですから、注意と工夫が必要でしょう。
不妊 検査
不妊検査をする前に基礎体温をつけておくと、不妊検査に役立ちます。
初診では、生理の状態(生理周期や月経量、生理痛の程度など)、中絶や流産の経験はあるかといったことを問診されるでしょう。
正直に答えることが正確な不妊検査に繋がるので、隠さずに答えてください。
尿検査でホルモンの状態、排卵の有無、妊娠の可能性などを確認します。
不妊検査にもいろいろな種類がありますが、膣内に指を入れて子宮や卵巣の形状を調べる触診やクスコ膣鏡で膣内を観察し、おりものなどがないか調べる膣鏡診、性病感染を調べるクラミジア抗原抗体検査、膣内に超音波断層装置を挿入して子宮や卵巣、卵管などを観察する経膣超音波検査、血液中のホルモンの有無や量などを調べる血液検査、膣からカテーテルで子宮に造影剤を注入して子宮の形や卵管のつまりなどを確認するレントゲン写真を撮る子宮卵管造影などが基礎的な不妊検査だと思います(その病院によって行う検査も違います)。
男性も不妊検査をするのなら、問診、精液の量や濃度、精子の運動率や奇形率、白血球数などを調べる精液検査を行うはずです。
基礎的な不妊検査で何か問題があれば、さらに精密な不妊検査を受けたり、不妊治療を受けることになるでしょう。
不妊検査には、羞恥心や痛みを伴うものも少なくありません。
ですが、妊娠しづらい原因をはっきりさせなければ有効な治療もできないのです。
また、女性に比べると何の痛みもない精液検査ですが、男性の中には様々な理由から拒絶反応を示す人もいるでしょう。
不妊 クリニック
不妊クリニックを選ぶ時には、医師の人柄やクリニックの雰囲気、クリニックの理念や不妊治療の方針などを調べてから行くといいでしょう。
メンタルケアについても充分に配慮している不妊クリニックなら、不妊治療中の心のケアもしてくれると思います。
不妊クリニックは、高度生殖医療を売りにしていることも多いですが、高度生殖医療を行わなくても妊娠できることも多いので、まずは通院のしやすさを優先した方がいいはずです。
その不妊クリニックでできないような不妊治療をしたい場合は、他の不妊クリニックや大学病院などを紹介してくれるでしょう。
不妊治療に漢方薬を使う不妊クリニックと漢方薬やサプリメントの使用には否定的な不妊クリニックがありますから、自分が希望する不妊治療に合わせた不妊クリニックを選んで受診するのがオススメです。
早く不妊治療の成果をあげたいと思っている人には、年中無休の不妊クリニックがいいでしょうし、空いているところがいいという人には完全予約制の不妊クリニックやできてから日が浅い不妊クリニックがいいかもしれません。
不妊クリニックで評判がいいのは、加藤レディースクリニックと新橋夢クリニックです。
加藤レディースクリニックは不妊治療の最後の砦と呼ばれ、KLCという通称も有名だと思います。
確かな技術力と必要なことしかしないという一貫した理念が高い評判の理由でしょう。
新橋夢クリニックも加藤レディースクリニックの系列病院ですが、不妊治療に使用する薬の組み合わせ方や選択の仕方などに違いがありますし、料金制度も異なっています。
不妊クリニックによって不妊治療に必要な費用も違ってくるので、治療費用や不妊治療費助成事業の対象医療機関に指定されているかで選ぶのもいいかもしれません。