不妊治療 タイミング法・排卵誘発剤とは
不妊治療で一般的なのは、タイミング法だと思います。
タイミング法は、30代前半の女性に多く用いられ、比較的体に負担がかからない不妊治療です。
まず、基礎体温を測り、排卵の周期を予測します。
専門医の指導を受け、正確な排卵日を予測し、排卵日を狙って性行為を行うというもので、自然に近い妊娠ができ、費用の負担も少なくてすむというメリットがあります。
しかし、妊娠の確率を上げるだけなので妊娠に時間がかかる場合もありますし、何らかの原因があって不妊の場合には効果がありません。
妊娠の確率を上げるために、排卵誘発剤が用いられることもあります。
排卵誘発剤は、卵巣やホルモンの分泌などに問題がなく、自然に排卵が行われている人に処方されることが多いようです。
自然排卵が可能な方の場合は、錠剤タイプの軽めの排卵誘発剤が用いられています。
また、月経が起こらない無排卵の人や卵胞が成熟しにくい人には、より効果の強い注射で、排卵を誘発するようです。
排卵誘発剤は、脳や卵巣に作用し、卵子を成熟させ、排卵を促す作用があるもので、この薬の効果により、複数の卵胞が排出され、多胎妊娠する可能性もあります。
それに、人によって症状は違いますが、副作用もあるでしょう。
重い副作用としては、卵巣に水が溜まって腫れたり、痛んだりする卵巣過剰刺激症候群がありますし、命にかかわるような重症の副作用を起こす可能性もあるのです。
ですので、排卵誘発剤の服用は専門医の指導の下に行うことが重要です。
不妊治療が行える年齢
妊娠が可能な間は不妊治療も可能と考えられています。
現在、日本国内では49歳の方が不妊治療の末、体外受精で妊娠し、出産したという事例があります。
妊娠の可能性の低さ、出産のリスクはありますが、49歳という年齢でも不妊治療を行い、妊娠をする事が可能であると証明されています。
不妊治療が可能かどうかの決め手は、卵巣や卵子の状態を参考にします。
女性の卵子というのは、年齢を追うごとに老化しています。
そのため、年齢があがると卵子の状態も悪くなり、受精する確率も低くなるのです。
30代ではタイミング療法や人工授精などの低リスクの治療でも妊娠が見込めますが、40代に入ってくると、これらの方法では妊娠の可能性が低く、排卵誘発剤や体外受精を行い、妊娠の確率を上げることとなります。
不妊治療の最終段階ともいえる体外受精は、費用が高く、通常一回50万円程度かかります。
経済的にも精神的にもストレスになるため、なかなか続けることができず、途中で断念してしまう人も多いようです。
また、不妊治療が行える年齢は病院によって異なるものです。
年齢に関係なく体が妊娠可能な状態であれば不妊治療を行えるという病院もありますし、妊娠の可能性や妊娠後のリスクを考えて45歳までなどと年齢制限をしている病院もあります。
高齢での不妊治療を検討中の方は、年齢制限のない不妊治療専門の病院を探してみるとよいでしょう。
不妊治療を行うタイミング
不妊症の場合、不妊治療を行うタイミングは早ければ早いほどいいですよ。
一般的に不妊症は、「子供が欲しいと考え、避妊しないで性行為を行っているのに、2年経っても妊娠しない場合」といわれています。
しかし、実際に何らかの原因があって不妊の場合と、ただ妊娠しにくいだけという場合があるようです。
原因のある不妊症の場合は、不妊が分かった時点で早めに適切な不妊治療を行うと良いでしょう。
ただ妊娠しにくいだけという場合は、生活の改善のような簡単な不妊対策で妊娠ができる事があります。
いずれも治療のタイミングは夫婦が決めるものです。
夫婦で良く話合い、納得して治療にあたりましょう。
なかなか妊娠できない人は、産婦人科での本格的な不妊治療の前に、自宅でもできる簡単な不妊対策を行い、妊娠しやすい体を作ってみてはどうでしょうか。
簡単な不妊対策の方法は、まず食事に気をつけることです。
卵巣機能の維持や精子の数を増やすことのできるビタミンEを多く摂れる食事をしましょう。
また、血流の流れが悪いと不妊になりやすいので、運動をして血液循環を良くしてください。
妊娠しやすい体を作るには、体を冷やさないことが大切だといわれています。
服装にも注意し、冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎないようにする必要があります。
また、ストレスをためないことも大切です。
これらのことを実行しつつ、妊娠を試みても妊娠しない時には、産婦人科に相談し、検査をするなどの本格的な不妊治療に踏み切ると良いのではないでしょうか。