対人恐怖症 原因

対人恐怖症の原因は、性格や育った環境が大きく関係するといわれています。
神経質で、細かいことをくよくよと考えてしまったり、潔癖症や怖がりの人も、対人恐怖症になりやすいといえるでしょう。
しかし、対人恐怖症の原因は、本人の性格だけでなく、両親から厳しく叱られやすかったとか、みんなの前で先生に叱られた、みんなに笑われたなどの場合もあります。
対人恐怖症の原因は、「人前で失敗するのが怖い」、「恥をかくのが怖い」、「人にバカにされたり、変な人だと思われたくない」などの感情が強すぎることです。
対人恐怖症は、中高生の思春期に発症することもありますが、大抵、社会に出て人との接触や仕事のプレッシャーの多くなる20代から30代に症状がでやすいのが特徴でもあります。
対人恐怖を感じはじめると、人と会うのを避けるようになってしまうでしょう。
これがひどくなると、日常生活にも支障をきたしますし、落ち込みや自己嫌悪が激しくなるので、うつ状態になることもあります。
対人恐怖症は、対人関係を気にしやすい日本人に多い病気で、対人恐怖症になるのは、本人が悪いわけでも、弱いせいでもありません。
周囲に相談しても、気の持ちようとか、努力が足りないとかいわれることもあるかもしれませんが、れっきとした病気なのです。
対人恐怖症は、適切な治療を受ければ、治すことのできる病気ですから、一人で苦しまずに病院に行きましょう。
病院で処方される薬を飲むことで、対人恐怖症の症状を抑えることができます。

対人恐怖症　チェック　方法

対人恐怖症チェック方法を紹介します。
これから説明する項目のどれかについてすごく悩んでいたら、対人恐怖症の可能性があるでしょう。

スピーチ恐怖（人前で話す際、極度にプレッシャーを感じる。）
赤面恐怖（人前や異性の前で顔が赤くなってしまう。）
対人緊張 （自分が孤立しているように感じ、他人との付き合い方がわからない。人とのコミュニケーションに緊張や苦痛を感じる。）
視線恐怖（人が自分に注目して、観察しているように感じる。もしくは、自分の視線が他人に不快感を与えるのではと恐れる。）
会食恐怖（人前での食事を苦痛に感じる。）
電話恐怖（他の人の前で電話をとれなかったり、上手く話すことができない。）
発汗恐怖（人と話すと緊張して大量の汗をかく。）
振戦恐怖（人と接すると、手や足が震える。）
書痙（人前で字を書こうとすると手が震えて、書くことが困難になる。）
排尿恐怖（公衆トイレで後ろに待っている人がいたり、職場のトイレで苦手な人と一緒になると、緊張で排尿ができない。）
自己臭恐怖（自分の汗や口臭のにおいが人を不快させているのではないかと不安になり、人との接触を避ける。）
腹鳴恐怖（人前でおなかがなるのが怖くて、おなかにたくさん食べ物を入れてからでないとでかけられない。）。

いずれも、多少なら誰でも感じることではありますが、極端になると対人恐怖症の疑いがあります。
対人恐怖症でなくても、他の精神病を患っていることも考えられますので、一度、精神科、心療内科を受診しましょう。

人見知りとは

人見知りとは、元々は子供が知らない人に対して、恥ずかしがったり、嫌がったりすることを指していましたが、今では大人にも使うようになりました。
大人の場合の人見知りは、内気、恥ずかしがりや、非社交的で人付き合いが苦手なことをいいます。
人見知りは対人恐怖症の一種だと考えられることもありますが、個人差はあるにしろ、誰でも持っている本能的な恐怖心が原因なので、対人恐怖症とは違うのです（対人恐怖症は、「人と会うこと」が怖くなる病気）。
知らない相手に危害を加えられるのではないかという動物としての本能なので、日常生活に支障がないなら問題はありません。
それまでは平気だったのに、思春期になると急に人見知りになるというケースもありますが、その年頃にはよくあることで、成長するにしたがって自然に治ります。
人見知りの人は、初対面の相手に対する警戒心が強いので、騙されにくくなるというメリットもありますから、悪いことばかりではないのです。
また、自分は人見知りだと思うことで、自己暗示をかけてしまっていることも多いので、あまり意識しない方がいいでしょう。
人見知りは、慣れである程度は克服できますので、接客業のバイトなどをして、あえて自分を知らない人に多く接する環境に追い込むのも一つの方法かもしれません。
人見知りであることをすごく悩んでいるのなら、誰かに相談してみるのもいいと思います。
「人見知りだからあまり上手く話せない」と相手にいってしまうのも、有効な手段です。