不妊 不育症
不妊ではないものの、不育症で悩んでいるという女性も少なくありません。
一説によると、年間8万人くらいの不育症患者がいるともいわれています。
流産自体は妊娠全体の10~15%くらいの頻度で起こり、妊娠したことのある女性の約41%が経験していることなのですが、一度、流産すると次回の妊娠で流産する危険性が高くなってしまうので注意が必要です。
二回、もしくは、三回以上続けて流産した場合は、不育症の検査を受けた方がいいかもしれません。
不育症の原因によっては、有効な治療法があるからです。
主な不育症の原因は、先天的な子宮異常(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮奇形など)、内分泌異常(ホルモンバランスの乱れ)、染色体異常(夫婦どちらか、もしくは胎児の染色体異常)、感染症(クラミジア、梅毒のような性病の他、ウイルスや細菌感染)、免疫的異常(抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫疾患)、血液疾患や遺伝病などの持病です。
不育症の原因がわかれば、改善できる可能性もありますが、不育症の約30~40%が原因不明だともいわれています。
また、不育症の一部の検査や治療には健康保険が適応されず、自己負担での治療(検査)になってしまうという問題もあるようです。
公的助成制度のある不妊症の治療に比べて不公平ですし、不育症への経済支援は有効な少子化対策にも成り得ます。
不育症への認知度が高まって、公的助成制度ができれば、一人目の子供はもちろん、二人目や三人目を望む夫婦も増えることでしょう。
不妊 東洋医学
不妊治療をする前に、東洋医学を試してみてはいかがでしょうか。
東洋医学では、不妊の原因を四つのタイプに分けています。
栄養不足で血が足りない「血虚」、エネルギーである気が足りない「気虚」、ストレスなどで気が滞っている「気滞」、冷え性である「寒滞」です。
人によっては、複数の原因が重なって、不妊に陥っていることもあるでしょう。
東洋医学では、体全体の不調を整えることで、不妊の体質を改善していきます。
具体的な治療法としては、食生活や生活習慣の改善、漢方薬の服用、鍼灸治療などです。
医師に相談すれば、西洋医学での不妊治療を受けながら、東洋医学での不妊治療を併用することもできます。
ですが、医師の中には、東洋医学での不妊治療に否定的な人もいるようですから、その医師の治療方針によっては東洋医学の併用が難しいこともあるかもしれません。
米国生殖医療学会誌の2002年4月号に掲載された研究報告では、体外受精(IVF)を受ける女性を二つにグループ分けし、片方のグループにのみ、受精卵を子宮に戻す前後に鍼治療を行ったところ、通常26.3%程度の妊娠率が42.5%に上がったそうです。
2008年2月の英国医師会誌には、体外受精(IVF)を受ける女性が鍼治療を併用すると、妊娠の確率が65%高くなるという記事が掲載されました。
東洋医学の有効性は科学的にも証明されつつあります。
西洋医学で色々な検査をしてみても、不妊の原因がはっきりしない時などは特に、東洋医学を試してみてください。
不妊 人工授精
不妊症治療の一つに、人工授精があります。
人工授精とは、妊娠しやすい排卵日に、男性がマスタベーションで採取した精液を濃縮して、柔らかいチューブ(カテーテル)などで子宮内に注入するという方法です。
注入に必要な時間は一、二分で痛みもないですし、かかる費用も五千円から三万円ほど(産婦人科によって異なる)と比較的安いため、不妊症治療の中では試しやすい方法でしょう。
ただし、人工授精が使えるのは、精子数が少ない(あまり少なすぎると顕微鏡受精になる可能性も)、運動率に問題がある、頚管粘流に問題があり、充分な精子が子宮腔内に進入できない、性交障害があるなどのケースです。
人工授精が有効な治療法だった場合、80%は三回以内に妊娠に成功できます。
四回以上人工授精を試しても妊娠できない場合は、他の不妊治療も考えた方がいいかもしれません。
人工授精は、夫婦の年齢が若いほど妊娠成功率が上がりやすいため、なるべく早くトライするのがオススメです。
子宮に注入する精子に不純物が混じっていると、発熱などの副作用を起こすこともありますから、なるべく精液の洗浄処理技術の高い産婦人科を選ぶとよいでしょう。
人によっては、腹痛が起こることもあるようですが、副作用が起きたとしても一過性のものなので心配はいりません。
配偶者間の人工授精が一般的ですが、男性側に要因があり、絶対に妊娠が望めない場合は、非配偶者間人工授精を行う場合もあるようです。