高齢期の医師へのかかり方
高齢期では、肉体の老化とともに様々な肉体的変化や現象が起こる時期でもあるので、ちょっとした変化だと病気の兆候を見落としがちです。
例えば、腰が痛いと思っても、年齢的な腰痛と決めつけてしまったりして、重篤な内臓疾患の兆候などを本人でも見落としてしまうのです。
ですから、高齢期に入ったら、少なくとも年に一度の定期検診を受けて、身体の各所を細かくみてもらうことをおすすめします。
仕事をしている間は会社の健康診断を受けていた人でも、定年退職後はそのような強制的な健康診断の機会がなくなってしまうため、ついついそのままになってしまいますよね。
でも、国民保険でも受けられる健康診断や、市町村で独自に設けている健康診断もあるはずですから、役所や保健所などで確認して、積極的に受けるようにしてください。
公民館などに健診車が回ってきて、集団で受けられるシステムを用意している市町村も多いです。
また、高齢者のための通院支援サービスとして、公共交通機関のチケットや、タクシーのチケットが配られている市町村もありますし、障害を持った方のための自立支援医療制度も存在します。
国で用意している様々な高齢者のための制度と、お住いの地域で独自に行っている高齢者のためのサービスや医療制度をよく確認して、利用できる制度は全て利用するようにするといいですね。
健康診断とは別に、いつでも自分で通える身近な場所に、主治医を作っておくことも重要です。
高齢期の病気を予防するには
高齢期の病気の中には、加齢に伴って発症しやすくなる病気と、長年の生活習慣が原因となる病気とがあります。
前者の代表的なものとして、ウイルスの感染による病気の発症や痴呆・衰弱などがあげられます。
体力がある人ならば感染しないようなウイルスにも感染してしまい、ひどい状況に陥ってしまうケースも少なくありません。
これらを防ぐには、日頃から少しでも体力を維持できるよう努力するとよいでしょう。
とはいっても、若い頃と同じようなつもりで無理をしたら、その無理が別の病気や怪我の原因となる事があるので、無理をしないように注意する必要があります。
また、どうしても運動量が減るため、食事量も減る人が多く、そのために必要な栄養が摂れなかったり、便秘の原因となったり、そのことが新たな病気の原因となる悪循環に陥るケースもあるでしょう。
さらに、若い頃からの食生活の悪影響や、不規則な生活の悪影響が積み重なって、老齢期に病気として発症するケースが多々あります。
有名なところでは、糖尿病やその合併症です。
それに、若い頃からの喫煙や過度の飲酒による内臓疾患やガンなども発症しやすくなるでしょう。
そうならないためにも、若い頃からできるだけ規則正しい生活をし、栄養バランスの良い食事を摂り、適度な運動を心がける必要があります。
また、年をとると「老い先短いのだから、食事もタバコも酒も好きなようにさせろ」というタイプの方が多く見られますが、周りの人の迷惑も考えて自重した方がいいですね。
高齢期にかかりやすい病気
高齢者は、様々な身体の機能や器官が衰えているので、普通ならそれほどひどい状況にならずに済むような病気で重篤な状態に陥ることが多々あります。
例えば、体力がある時なら感染しても発症しないようなウイルスで重症に陥ったり、肺炎を引き起こしたりということがあります。
また、長年にわたる喫煙や深酒の影響で内臓器官が弱ったりというようなことも増えます。
身体の老化が原因で起こる骨粗鬆症や難聴、老眼、歯槽膿漏など、加齢とともに発症率が高くなる病気もたくさんあります。
しかし、その反面、様々な病気の兆候に気が付きにくいというケースも多く、少々の体の痛みなどは、「年のせい」「ちょっと無理したから」と思って、病気のサインを見逃してしまいがちですから注意が必要です。
高齢期は病気にかかりやすい上に、突然重篤な症状になったり、様々な合併症を併発することも多いでしょう。
体力や内臓機能も低下しているため、がんなどの病気の進行は若い人と比較すると遅くなりますが、その分、病気や怪我の回復も遅くなりがちで、長期間かかってしまうのが特徴です。
それに、長期間、病気や怪我などで動けないでいると、それによってボケが進行したり、ますます身体が動かなくなって歩くのも困難になってしまうなど、別の症状が発症して健康が回復しないということもありえます。
ですから、日頃から予防を心がけ、早期発見・早期治療のための環境作りをしておくことが重要です。