中高年の病気とタバコ・飲酒の関係
タバコは「百害あって一利なし」と言われています。
タバコには、ニコチン以外にもタールなどの有害物質が含まれており、その中には発がん性物質やがん促進物質などが含まれているのです。
タバコを吸い続けることにより、肺がんの発症率は高くなっていきますし、食道がん、胃がん、咽頭がんになるリスクも高まります。
もちろん、がん以外の病気にもなりやすいんです。
心筋梗塞や胃潰瘍、血液中の中性脂肪やコレステロール増加なども見られます。
厚生労働省の発表によれば、喫煙習慣がなければ、男性の46%、女性の8%はがんを防げたそうです。
次に、飲酒についてですが、適度なアルコールの摂取は、血行が促進されたり緊張を緩和したりする効果があります。
しかし、飲酒量が多いと、肝臓病などの生活習慣病にかかってしまう危険性が高くなります。
お酒の飲みすぎが原因となる疾患として、肝臓疾患や消化器系、血管系の疾患、脳疾患などもあげられています。
さらに、アルコールは高カロリーであるために、糖尿病や痛風などを招く恐れもあるのです。
また、お酒の飲みすぎは、肝臓だけでなく、脳にも深刻なダメージを与えます。
一日に飲んでもいい飲酒量を守り、必ず休肝日を設けることが大切です。
肝臓は不具合が生じても、自覚できる症状が現れにくいため、飲酒する機会が多いようなら、定期的に健康診断を受けるといいでしょう。
自分は健康だから大丈夫なんて思っていると、発病に気がついた時には手遅れということになりかねません。
中高年に多い突然死の原因
死亡する直前まで自覚症状が全くなく、発症してから24時間以内に死亡することを突然死と言います。
40代や50代の働き盛りの中高年に突然死が一番多く見られます。
さらに調べていくと、女性よりも男性の方が2倍も突然死の確率が高くなっています。
突然死の原因としてあげられるのは、脳梗塞や脳出血のような脳血管系の疾患などもありますが、一番多いのは心臓病が原因となる心臓突然死なんです。
心臓突然死で亡くなっている方は年間5万人を超え、その中でも特に多く見られるのが急性心筋梗塞です。
これは高齢化が進むと共に増加傾向にあるようです。
ちなみに、中高年の突然死は運動中によく起こると言われています。
ランニングやマラソン中の突然死もよくあるケースですが、実はゴルフ場での突然死が多いことをご存知でしょうか?中高年で見ると、ゴルフ場での突然死が最も多く、その中でも40代から60代の男性が80%を占めているのです。
その他にも、年間2万人ほどが亡くなっているのが、入浴中の突然死です。
入浴中や直後には、脳出血や急性心筋梗塞を起こしやすい状態なっているからです。
疾患以外の原因としては、現代の食生活の変化によるマグネシウムの摂取量の減少があると思います。
マグネシウムが不足すると心疾患を起こしやすくなるという点から、突然死にも繋がります。
突然死の予防だけでなく、様々な病気を予防するためにも、マグネシウムの摂取が大切でしょう。
中高年のうつ病
統計的に見ると、40才~55才くらいの中高年に一番うつ病が多く見られます。
なぜ、中高年がうつ病にかかりやすいのでしょうか?まず、原因の一つ目としては、人生における転換期だと言うことがあげられます。
自分の妻や夫のこと、さらには、高齢の両親や子供のことなどで大きな変化が起こりやすいのですね。
近年では、核家族化が進み、子供が大きくなって親元を去ると、親はとても孤独感を感じ、うつ病になる傾向があります。
親の介護や死を目の当たりにすることによるストレスもうつ病の要因の一つです。
妻や夫の病気や友人の病気など、自分の力ではどうにもならないようなことで老いを感じ、その老いに追い詰められるような気持ちになり、それが原因でやがてうつ病になってしまうこともあります。
二つ目の原因としては、現在の社会状況があるでしょう。
日本の今の繁栄があるのは、中高年世代のがんばりのおかげです。
にも関わらず、人件費の高い中高年世代がリストラされたり、会社の倒産で失業する不安といつも隣合わせということが少なくありません。
失業することにより、夫婦関係や経済状況などが悪化して、うつ病になってしまうこともありますし、失業するかもしれないという不安を常に抱えていることがストレスになり、うつ病になってしまうこともあります。
心療内科や精神科に行ったり、カウンセリングを受けたりすることを恥ずかしいと感じる人が多いことも、うつ病増加の一因でしょう。