高齢 身体の変化
年齢を重ねると、身体には様々な変化が現れます。
身体の老化は、見た目だけではなく、見えない部分にもたくさんの影響を与えるのです。
外見の変化で言えば、
・白髪が増える
・髪の量が少なくなる
・肌のシワ・シミが増える
・歯が弱くなる・抜ける
・爪が黄色くなる
・視力が落ちる
・耳が遠くなる
などの症状を自覚することも多いでしょう。
身体に付いた筋肉が全体的に落ちていくので、肌のハリもなくなり、弛んだ体型になっていきます。
また、代謝が落ちるので、体脂肪が増えますし、身体の様々な機能が低下していくことが知られています。
これらの見た目の変化だけでなく、外見ではわからないところでも肉体の老化は起きています。
筋力や持久力の低下による体力の衰えを感じる人は多いものですが、本人にさえ気がつかないところでも老化による肉体変化は起きているのです。
例えば、年をとるほど動脈硬化などのリスクは高まりますし、女性では特に骨粗鬆症が大きな問題となります。
これらは自覚症状さえない肉体の変化ですから、突然重篤な状態で倒れたり、ちょっと転んだだけで骨折してしまったりというように、危険な状態に陥ることも少なくありません。
日頃から適度な運動を行って体力低下を防いだり、肌を若々しく保ったりなど、ある程度の老化防止は可能ですが、その反面、若い頃の不摂生が老化を加速させることも多々あります。
特に、不規則な生活は、様々な面で体に負担がかかりますから、老化防止の大敵と言えます。
高齢になると記憶力・人格などの変化
年齢を重ねると、肉体的変化だけではなく、記憶や精神面でも変化があると言われています。
まず、年齢とともに記憶力が低下するというのは良く知られており、たった今何をしようとしていたか忘れてしまうというような事も増えてきます。
これらは脳の細胞がどんどん死滅して減っていることが原因ですが、それ以外にも脳の影響は感情変化や性格変化などにも現れてきます。
例えば、感情に関しては、体力や体の機能の低下も手伝って、物事に対する意欲や集中力、継続力が低下します。
また、自分の思うように行動が伴わなかったりすることで、精神的にイライラしたり、ますます気力や意欲が低下してしまったりと、悪循環に陥ることも少なくありません。
精神的なイライラは周りに向けられることもあったり、執着が激しくなるといった傾向が現れることもあり、他者とのコミュニケーションに悪影響を及ぼすことも多々あります。
よく年をとると頑固になるなどと言われますが、それは特定のことに対する執着が強くなっていることを示しています。
脳の細胞は日々死滅して少なくなりますから、場合によっては性格がすごく変わったと感じられることもあるようですが、根本的な性格が変わったというよりも、日々のちょっとした精神的なすれ違いに対して頑なになっているだけの事もあります。
注意すべきは記憶力に関してで、場合によってはアルツハイマーなど、進行が早い病の場合もありますから周りの人もよく観察すべきでしょう。
高齢者の精神的な病気
高齢期では、徐々に肉体が思うように動かなくなっていくのを日々自分自身が感じているため、そのようなイライラの堆積によって精神的に様々な面で変化があると言われています。
高齢者は、年齢的にうつ病も発症しやすいです。
しかし、うつ病の症状も、一般的に知られているものとは発症の仕方に違いがあるようで、なかなか本人も周りも気がつかないことも多いようです。
高齢期は、肉体的な変化とともに環境変化も多い時期になります。
例えば、定年退職によってガラッと日々の生活が一変したり、子どもが独立したり、結婚したり、両親や配偶者との死別経験も大きな影響を与えるでしょう。
仕事がなくなる、子どもが離れる、身近な人が亡くなるなどの喪失感は、自分自身の知的能力や肉体的能力の衰えも手伝って、さらに大きな喪失感を与えると考えられています。
老齢期には、アルツハイマーなどの「知的能力を失う病気」とうつ病などの「精神面での病気」の両方とも、それぞれ発症する危険性が高まっていきます。
どちらも放置すると危険ですから、兆候を見逃さず、少しでも早く通院して対策を考えていくべきでしょう。
肉体的な病とは根本的な違いがありますが、どちらも別の意味で命の危険があります。
危険なものを食べてしまう、道路に飛び出してしまう、自殺を図るなどです。
本人にはなかなか自覚できないことも多いですから、周りがうまく通院に誘導する必要があります。