睡眠時無呼吸症候群の予防・治療法
睡眠時無呼吸症候群と診断された時、体に負担をかけないで治療するために用いられるのがマウスピースです。
ボクシングなどで使われるマウスピースとは違い、これを口にはめ込むことにより、気道が開き、空気の通りを良くしてくれます。
軽度~中度の睡眠時無呼吸症候群の場合は、有効率が高いでしょう。
睡眠時に息苦しさを感じていたような人も熟睡できるようになるみたいです。
また、気道が開くということは、体内への酸素供給量も増えるので、心肺への負担を大きく軽減できるようになります。
マウスピースはポケットサイズですから、旅行先などでも使うことができ、簡単に治療や予防を行いたい人にはおすすめです。
しかし、重度になると、マウスピースでの治療はできず、CPAP治療という在宅持続陽圧呼吸治療装置を用いた治療をすることになります。
鼻マスクを装着して気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐことによって無呼吸状態を作り出さないという方法です。
この器具を使う場合は、レンタル料が発生する、持ち運びが困難などのデメリットも出てきます。
軽症の睡眠時無呼吸症候群であれば、生活習慣を見直すことでも改善できるでしょう。
例えば、肥満で気道を塞いでしまう場合であれば、食事療法や運動を定期的に行うことによって体重を減少させれば、症状は軽くなっていくはずです。
あとは節酒や禁煙です。
アルコールは気道の筋力を弱める作用があるので無呼吸状態を作りやすいですし、喫煙は気道に炎症を起こしたり、気道の筋力低下を引き起こします。
睡眠前のアルコールの摂取を止めたり、タバコの本数を減らしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中のことなので自分自身ではなかなか自覚することが難しいです。
以下のような症状や自覚があれば、病院に行って検査されることをおすすめします。
家族や友人・恋人などに、睡眠中、大きないびきをかき、呼吸が止まっている時があるといわれたことがある。
朝、目覚めた時に頭痛がしたり、日中極度の眠気に襲われたり、無気力でやる気が出ない。
最近、集中力や記憶力が低下してきた。
このような条件にあてはまるようなら、病院へ行きましょう。
病院で検査をする場合、上記であげたようなことをまず問診で聞かれると思います。
無呼吸症候群が疑われた場合、夜間の睡眠状態を検査するために入院が必要になるでしょう。
終夜睡眠ポリソムノグラフィーという睡眠状態をより細かく測定する検査を行うのです。
この検査では、主に脳波や呼吸状態、心電図、眼球や筋肉の動き、血液中の酸素飽和度、いびきの音量などを細かく測定していきます。
この検査で、深い睡眠がしっかりとれているか、無呼吸によって脳が覚醒していないかを判断します。
呼吸数なども検査できますから、一度の睡眠中に何回無呼吸状態になり、何秒無呼吸状態が続いているのかも正確にわかるのです。
様々な角度から検査をするため、色々なセンサーを装着して睡眠をとることにはなりますが、針をさしたりすることはないので痛みを伴うことはありません。
病院ですし、多少の窮屈さを感じることもあるでしょうが、なるべく普段と変わらない睡眠をとるためにリラックスして検査に臨むといいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群には、様々な原因があります。
一つは肥満のせいで、顎の周囲や首、舌や喉などの脂肪が厚くなり、気道が圧迫され、狭くなることです。
二つ目は元々の骨格によるものです。
顎が小さく後退している小顎症は上手く舌を収めることができず、これもまた気道を圧迫します。
三つ目は鼻に疾患があったり、咽頭扁桃部に異常が見られることです。
例えば、鼻の空気の通り道が湾曲していたり、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を持っていると、鼻の通りが極端に悪くなったりします。
咽頭扁桃や喉ちんこが炎症や肥大を起こすことも、睡眠時無呼吸症候群の原因になります。
軟口蓋といわれる鼻と喉の境目が垂れ下がることも気道を狭くさせ、睡眠時無呼吸状態を作り出します。
他にも、アルコールの摂取や薬の服用も睡眠時無呼吸状態を作り出すようなんです。
気道内の粘膜が充血・膨張を引き起こすのがアルコール。
このアルコールを摂取することにより、舌などの筋肉の緊張がなくなってしまい、気道が狭くなるのです。
さらに薬物を服用することでも筋肉の緊張がなくなり、気道は狭くなってしまうのです。
どんな薬物かというと、精神安定剤や睡眠導入剤、筋弛緩剤などがあげられます。
寝ている間に喉がふさがりやすい体質の人もいるそうです。
いずれも睡眠中に気道が圧迫されたり、気道が狭くなることが原因で、睡眠時無呼吸症候群が起こります。
一つ目の原因として肥満をあげましたが、肥満の方が絶対に睡眠時無呼吸症候群になるとも限らず、痩せている人でも起こりえる病気です。