歯周病に重要なプラークコントロールとは
テレビコマーシャルなどで頻繁に聞くプラークコントロールと言う言葉の意味を知っている人は案外少ないようです。
プラークとは歯垢の事で、つまり、歯の間にたまった食べかすや、歯磨きの磨き残しなどが溜まった状態を言います。
ですから、プラークコントロールとは、歯垢をコントロールしようという事になります。
歯磨きによってしっかり歯垢を落とし、歯周病菌を増やさないようにしましょうという意味ですね。
歯周病は悪化すると治療が困難な病気といわれていて、また、最悪の場合は抜歯せざるを得ない状況にまでなります。
何よりも予防が一番重要ですが、歯周病になってしまった場合は早期発見して、なるべく初期のうちに治療を行うことが大切なのです。
実際には、口腔内から完全に歯周病菌を撲滅することは不可能なので、せめて増えないようにしましょうと言うのがプラークコントロールです。
一般的には、正しい歯磨きを覚え、出来るだけ食事の後には速やかに歯磨きを行うことが理想です。
歯磨きが出来ないような環境の場合には、せめて消毒殺菌効果のあるウガイ薬などを利用して口の中をすすぐと良いでしょう。
しかし、食事の後にすぐ歯磨きをしたとしても、それだけでは十分ではなく、定期的に歯医者さんに通って歯石の除去を行ったり、場合によっては薬剤を使用して歯周病菌を抑える必要があるケースもあります。
それらを総称してプラークコントロールと呼んでいます。
プラークコントロールを行うためには、自分の毎日のケア+歯医者さんでの検診とケアの両方が必要なのです。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる歯垢です。
プラークは、歯磨きの際の磨き残しなどが溜まったものですが、これが放置されているとどんどんたまって石のように硬くなり、一度そうなると歯ブラシでは落とすことの出来ない歯石になってしまいます。
このプラークの中には、歯周病菌がいますから、それが溜まった状態になっていると、その部分の歯茎から炎症を起こし始めてしまうのです。
歯石は表面がざらついているため、さらに歯垢を溜めやすくなると言う悪循環に陥ります。
この大元の原因は歯磨きにあります。
歯磨きはできれば食事の都度行うのが理想的ですが、毎食後に歯磨きをしていても歯石がたまる人が多いのが現状で、つまり、正しく歯が磨けていないという事になるのです。
その原因の多くは、歯並びや虫歯にもあります。
歯並びが悪いと歯ブラシが上手く届かなかったり、上手に磨けずに磨き残しが出来てしまいます。
また、虫歯の治療で行った被せがあっていないと、やはりその隙間に歯垢がたまりやすくなってしまいます。
そもそも虫歯は、磨き残しが原因で起こるものですから、その周りは歯磨きが上手くできていないと言うのが分かりますよね。
最近は、歯医者さんで歯磨きのトレーニングや指導を行っているところが多く見られますから、そういう所で一度は指導してもらうとよいでしょう。
歯周病を予防するためにも、定期的に歯石のチェックをし、取り除くために通院することが推奨されています。
歯肉炎と歯周炎
歯周病は、大きく分けて歯肉炎と歯周炎に分けることが出来るのですが、その違いは病気の進行度合いです。
簡単に言えば、歯肉炎が進行すると歯周炎になるという事ですが、その両方を総称して歯周病と呼んでいます。
歯肉とは歯の周りの肉ですから、つまり、歯茎をさします。
ごくごく初期では、歯肉(歯茎)から歯磨きの際や堅いものを食べた際に出血する程度なのですが、少し進行すると、この部分が赤く腫れたり、歯茎の色の血色が悪くなってきます。
この頃の自覚症状といえば、軽い出血程度なのですが、ここで気が付いて治療を始めれば、治療は比較的簡単です。
しかし、進行して歯周炎に発展してしまうと、治療は大変困難になり、最終的には抜歯せざるを得ないことも多々あります。
歯周炎には、主に30代くらいで始まる成人性歯周炎・発症するのが若者~30代前半までで、進行が早い早期発症型歯周炎・遺伝的な原因が多いといわれ、主に乳幼児で発症する思春期前歯周炎・若年層(10代~20代前半くらい)に見られ、遺伝的要素が多いとされる若年性歯周炎・20代前半~35歳前後に発症し、進行が早く、急激に悪化する急速進行性歯周炎・治療効果が見られず、改善してもすぐに再発してしまう難治性歯周炎など、様々な種類があります。
一口に歯周病と言っても、症状やその程度には違いがありますが、とにかく少しでも早期に発見して、治療開始することが一番重要なのです。