家族が引きこもりの時の接し方
様々なストレスの要因が転がっている現代社会で、家族が引きこもりで・・・なんて悩みを抱えている方も、結構いらっしゃるのではないかと思います。
引きこもりしている本人だけで、引きこもりの状態を改善するのはとても難しいものです。
時には、カウンセラーなどの専門家の力を借りることも必要になりますし、家族の協力が何よりも重要になってきます。
家族の一人が引きこもってしまったら、その他の家族だって辛いですよね。
その人に対して、怒りや不満を感じることもあるでしょう。
でも、だからといって、引きこもっている人を責めても解決することはほとんどありません。
逆効果になってしまうことの方が多いでしょう。
引きこもってしまう人の大半は、真面目で責任感が強く、傷つきやすい性格です。
たとえ、単なる甘えや怠けで引きこもっているのだとしても、それを指摘して責めると、逆ギレする危険性が高いですから止めておいた方が無難ですね。
家族だけで悩まず、勇気を出して誰かの手を借りることが大切です。
引きこもりから立ち直った人は、引きこもりだった時のことを辛い経験として捉えています。
けして、何もせず、ぬくぬくと遊んでいられて楽だったとは思っていないのです。
引きこもりの人を焦って外に出そうとするのはあまりよくありません。
でも、引きこもりの人を支援する施設を探すなどして、なるべく引きこもりの期間が短くなるようにサポートしてあげることは家族にしかできないでしょう。
最近多い引きこもり主婦
最近、「引きこもり主婦」なんて言葉をよく耳にします。
引きこもりは、小学生など低年齢層に多くみられる現象でしたが、近年ではそうでもなさそうなんです。
主婦の引きこもりは、育児の悩みや夫婦間の悩み、対人関係の悩みなどが要因になっているようです。
何か悩みがあっても、「ま、なんとかなるでしょう」と考えられる人はいいのですが、正義感が強かったり、責任感が強い人ほど、引きこもりになりやすいといわれています。
引きこもりが悪化して育児のノイローゼになってしまい、子供の虐待に繋がるケースも少なくはないので注意が必要ですね。
子育てについての相談窓口は数多く設置されているのですが、引きこもりをケアしてくれるような窓口が圧倒的に少ないのが現状です。
特に引きこもりになりやすいケースとしては、転勤の多い家庭の専業主婦があげられます。
転勤が多いと、一つの場所に長く住むということがあまりなく、働きに出るタイミングも失いがちになってしまいます。
そうなると、家族以外の人とコミュニケーションをとる機会も少なくなりますから、引きこもりの専業主婦になってしまいやすいのですね。
さらに、子育てについて協力を得ようとしても夫が協力してくれないなどのマイナス要因が加わると、引きこもりがますます悪化してしまうでしょう。
このような悩みを吐き出せるような友人やサークルを見つけるのが一番いいのですが、引きこもりやすい人はおとなしかったり、人見知りだったりするので、それも難しいかもしれません。
大人引きこもりを病院で解消
医学的に引きこもりは病気として診断されません。
ですから、心療内科や精神科・神経科などで診察してもらうことをおすすめします。
自分自身に合った医師を見つけるのが一番なのですが、一発でその医師に出会うというのもなかなか難しいと思います。
ネットで検索したり、保健所なんかに相談するのもいいでしょう。
基本的な治療としては、カウンセラーや医師と、自分自身の性格の構造や問題点などを話し合うカウンセリングを行います。
そのカウンセリングを何度も何度も重ねていくことにより、歪んでしまった部分を矯正したり、生活のリズムを整えていくようにするのです。
さらに、このカウンセリングと併せて、薬物療法を行う場合もあります。
うつ症状や睡眠障害がひどくみられる場合には、抗うつ剤や抗不安剤を処方されるでしょう。
それほど症状が重くない場合であれば、サプリメントなどを使う方法もあるようです。
しかし、薬物療法は引きこもりを治す直接の方法とはいえません。
薬だけでは引きこもりのような心の病を治療することは不可能なのです。
それに、あまり薬に頼ってしまいすぎると、薬なしでは生きていけないような薬漬けの人生になってしまう恐れもあるので注意が必要だと思います。
とはいえ、抗うつ剤などを服用すると、精神的な症状が和らぐことは確かです。
多少なりとも精神的な症状が和げば、行動範囲が広がるはずです。
薬の服用で精神的な症状を和らげ、カウンセリングを受けていたら、何もしないよりはかなり症状がよくなるでしょう。