うつ病の症状とは
うつ病の症状といえば、ともかく落ち込んだ雰囲気を思い浮かべる人も多いでしょう。
酷い場合には、自分が生きる意味を見失い、生きる気力さえなくしてしまうケースも多く、ともかく全てに対する興味や気力が失われます。
ですから、大好きな事さえ出来なくなります。
例えば、美味しいものを食べたいという欲求さえなくなるのです。
おいしいものは食べたいけど、食べるのが面倒だから何も食べたくないといった具合です。
しかし、このように気力がなくなった事を本人が自覚するのは医師から「うつ病」と診断された後のことが多く、それまでは「疲れて動きたくない」という自覚症状であることが多いのです。
精神面で言えば、ともかく理由もないのに辛くてたまらない、何かをやらなければと焦りを感じるのに動けない、他愛もないことにイライラする、何をしても楽しいと感じられなくなるといった精神的な変化が一般的に知られています。
また、そのような症状が一切なく、頭痛がしたり、激しい疲労感が続いたり、食欲が極端に落ちたり、原因不明の胃腸炎が続いたり、眠れなかったり、どれだけ寝ても疲れがとれないなど、肉体的不調しか現れないケースもあります。
そのような場合には、病院に行ってもその原因がわからないことがほとんどで、「仮面うつ病」と診断されることが少なくないようです。
仮面うつ病の場合には、本人にさえうつ症状の自覚がないので発見が遅れがちで、重症に陥るケースが多いと言われています。
うつ病の種類
一口にうつ病と言っても様々で、その発症の原因や症状・経過などにより分けられているのですが、実はその全てが解明されているわけではありません。
例えば、これまでうつ病は真面目で責任感の強い人が罹りやすいと言われていました。
また、怠け癖ではない・ワガママ病ではない証拠に、「原因となった嫌な事」が排除されても、その病状から開放されるわけではないケースがほとんどでした。
ですが、最近では、「嫌な状況から開放されている間は普通に過ごせる」という「新型のうつ病」が主に若者の間で流行りつつあります。
この新型のうつ病は、仕事など自分が嫌だと思っている状況の時はうつ状態になり、自分がやりたいことをやっている時にはうつ状態にはなりません。
この新型のうつ病の場合は特に、周りからも、「ただの我侭病・忍耐力がない怠け者」と捉えられてしまうケースが増えているようですが、うつ状態の時のつらさは従来のうつ病と変わらないのです。
うつ病には、大きく分けて三種類あります。
内因性うつ病、身体因性うつ病、心因性うつ病です。
何らかの精神的負担やストレスが原因で発症するものを心因性うつ病、肉体的な病や怪我によって引き起こされるもの(例えば、事故で半身不随になったり、余命いくばくもないと知らされたりなど)を身体因性うつ病と呼びます。
うつ病には、本人にもその原因がよくわからないケースも多々あり、そのような症状を内因性うつ病と呼んでいます。
うつ病の治療法
うつ病の治療法は、現時点では基本的に薬物療法とカウンセリングです。
薬物療法では、各人の症状や原因に合わせて、抗うつ剤・精神安定剤・睡眠導入剤・食欲増進剤・漢方薬などを精神科医が処方します。
薬の種類は様々あり、人によって効き目が違ったり、全く効かなかったり、副作用が出たりするので、それらを問診しながら精神科医が薬を変えたりしながら回復を目指します。
しかし、心因性の原因がある場合には、患者の話を聞いたりカウンセリングを重ねることで病状が軽くなるケースもあるため、カウンセリングを同時に行うケースも少なくありません。
ある程度うつ病が回復してくると、「認知療法」が効果的だと言われています。
各人に合わせたスケジュールや規則を作り、それらを少しずつでも実行出来るように頑張り、本人がすべての項目について「どの程度できたか?」の判定を自らつけて自分の行動を見直していくものです。
ですが、うつ病は、何年も何十年も通院しても一向によくならない人も多いのが現状です。
また、うつ病になると、多くの場合、職を失うことになるので、金銭的に余裕がなくなり、生活費さえままならない状況に陥ります。
それが新たなストレスやプレッシャーとなり、病状が悪化したり、生活優先で通院に掛ける費用が捻出出来ず、ますます悪化するケースも増えているようです。
近年では、脳内物質をコントロールするサプリメントなども販売されていますが、価格が高く、保険もきかないので、なかなか常用するのは難しいでしょう。