背中痛と腰痛の関係
背中と腰は、背骨(脊椎)によって支えられています。
よって、背中と腰が同時に痛む方は、「背骨」が大きく関係している可能性があります。
日常の中で、常に背筋を伸ばし、姿勢に気をつける事は不可能ですよね。
立ちっぱなしの仕事、デスクワーク、学校の授業などのように、長時間、一定の姿勢でいる方は、ついつい一番楽な姿勢をとってしまいがちです。
そして、その楽な姿勢が癖となり、背骨の歪みの原因になるのです。
背骨が歪むと、背骨にある穴が狭くなり、その穴を通る神経が圧迫されてしまうため、背中痛や腰痛、肩凝りや手足のしびれに繋がります。
他にも、生理痛や頭痛、肌荒れなども起こりやすくなるでしょう。
逆に、背骨の歪みによって、本来、背骨の理想的な状態である生理的わん曲のS字カーブを保てなくなるので、自然と無理な姿勢になってしまうという方もいます。
歪みだけではなく、背中の筋肉や背中の関節は、腹筋・胸部・頚部の筋肉と密接な繋がりがあります。
ですから、腰痛によってできる筋肉のアンバランスさにも影響されやすいのです。
筋肉の過度な緊張や背骨の歪み、無理な姿勢などによって、背中痛と腰痛を引き起こしてしまうんですね。
しかし、これだけが原因とは限らないので、他にも気になる症状がある方や動けないほどの激痛を伴う方は、早めに病院に行ってください。
背中や腰が痛む内臓疾患や骨の病気には、重い病気も多くあるので、早期発見・早期治療が大切になってきます。
ぎっくり背中とは
みなさんは「ぎっくり背中」をご存知でしょうか?これは、正式な病名などではなく、ぎっくり腰(急性腰痛)に似た症状が背中に起こる事から、急な背中の痛みの事を「ぎっくり背中」と表現しているようです。
では、そのぎっくり背中になりやすい瞬間はどんなものなのでしょう。
それは、着替えの際に腕を思い切り伸ばした時、咳・くしゃみをした時、深呼吸をした時、体をひねって腕を使う運動のゴルフやテニス・水泳などをした時、座りながら無理に何かを取ろうとした時などの何気ない動作で、突然痛みが襲って発症するのがほとんどだそうです。
稀に、朝目覚めて起き上がろうとした際に、起き上がれなくなる事もあるようです。
ぎっくり背中のそもそもの原因は、筋肉が緊張しすぎる事です。
背筋は、腹筋・胸部・頚部の筋肉と密接な繋がりがあるため、どこかの筋肉が固まっているとなりやすいです。
要するに、常に肩凝りや腰痛のある方や疲労が溜まっている方、筋力の低下がみられる方に起こりやすいですね。
くしゃみや咳をしただけで背中が痛い、体をひねると痛い、急な痛みが背骨辺り・肋骨辺り・肩甲骨にある方は、ぎっくり背中の可能性が高いです。
体を動かす事ができないなど、症状があまりにひどいようでしたら一度病院へ行く事をお薦めします。
また、急性の物ではなく、背中の痛みが長期にわたって続いたり、他の症状もある方は内臓疾患の可能性もあるので早めに受診された方がいいですよ。
背中の左側が痛い場合の病気の選び方
背中の左側が痛くて悩んでいる方で、筋肉疲労やコリにしては、長い間痛みが治らないなんて方はいませんか?実は、長期的に続く背中に関する痛みは、内臓の病気である事が多いのです。
そこで、背中の左側が痛い場合に考えられる病気や症状を簡単に紹介するので参考にしてください。
一つめに考えられる病気は、「膵臓炎」です。
膵臓炎には、「急性膵臓炎」と「慢性膵臓炎」の二種類ありますが、急性膵臓炎では背中の真ん中辺りに鈍痛を伴うのに対して、慢性膵臓炎では背中の左側に激痛を伴います。
この病気は、その他に低血圧や嘔吐といった症状を伴うのですが、非常に発見されにくいです。
どちらもアルコールの過剰摂取が原因とされています。
二つめに考えられる病気は、「狭心症」です。
これは、心臓にある血管の動脈が詰まる病気で、塩分過多、糖分過多、脂肪分過多や運動不足が原因とされています。
症状は、10分~20分程度の鈍痛が、左肩から背中の左側に掛けて頻繁に起こります。
この発作を繰り返していると、ほとんどの場合は二ヶ月以内に、「心筋梗塞」に掛かります。
心筋梗塞は、狭心症よりも痛みが激しく、背中の痛みに加えて倦怠感や息切れ、胸の痛みを伴います。
このように、背中の左側のみ痛みが続く際には、大病を患っている可能性が考えられるので、我慢をしたり、筋肉疲労やコリと自己判断せずに一度病院へ相談に行ってください。
何事も、早期発見・早期治療が一番大切ですよ。