水虫 日本人
近年では、日本人の四人から五人に一人は水虫だといわれています。
日本人の間でこんなに水虫が流行っているのは、高温多湿の気候の国で日常的に靴を履いているせいでしょう。
雨も多いですし、夏でもファッションでブーツを履いている女性がいるくらいですから、水虫は男女問わずかかってしまう可能性が高い国民病といえるかもしれません。
温泉やスーパー銭湯、プールなど、水虫患者と水虫が移りやすい環境で接触する機会も豊富です。
日本人の間では、水虫にかかることは恥ずかしいという意識がありますから、皮膚科に行って治療する人はそれほど多くありません。
水虫を治すために皮膚科に通うことの方が水虫にかかっていることよりも恥ずかしいと思っている人も少なくないのです。
自己治療で水虫を治すのはとても難しいため、水虫患者は水虫を治さないままに、他の人に水虫の原因菌をばらまいていきます。
ちなみに、水虫という言葉は平安時代にはすでにあったようです。
ただ、その症状は現在の水虫とは違い、単なる皮膚病だったのだとか。
現在のような水虫が一般的に認識されたのは江戸時代で、田んぼで正体不明の虫に刺されることがかゆみや水疱の原因と考え、水虫や田虫と呼んでいたらしいです。
世界的に水虫の原因が真菌だとわかったのは1910年で、日本人では1918年(大正7年)に太田正雄博士が白癬菌を初めて分離培養しました。
日本人で最初に水虫にかかったのは、西洋文化に強い関心を持ち、靴を履く習慣があった坂本竜馬だといわれていますが、もちろん、真偽不明です。
水虫 治療後
水虫が治ったら再発を防ぐために、足を清潔に保つようにしましょう。
間違っても他人の靴や蒸れやすい革靴は履かないようにします。
どうしても革靴を履かなくてはいけないなら、定期的に靴を脱ぎ、靴下を履き替えたり、靴の中敷を替えたりするといいです。
自宅では裸足ですごすか、五本指ソックスを履くようにします。
布ぞうりを履くようにするのもいいかもしれません。
とにかく、足を蒸らさないということが水虫の再発を防ぐのです。
水虫の時に履いていた靴はなるべくなら全て捨てるか、漂白剤にしばらく浸けた上でビニール手袋をつけてよく洗い、靴の乾燥機か天日干しで完全に乾かしてください。
洗うことのできない靴は、残念ですが諦めた方がいいかもしれません。
絨毯はよく掃除機をかけ、フローリングはビニール手袋をして拭き掃除した後、除菌スプレーで殺菌します。
足の皮膚に変化がないか、こまめにチェックすると、再発しても早めに対策がとれるはずです。
水虫が治っても、次の年の夏が終わるまでは油断大敵。
水虫は一時的に症状が治まっても、皮膚の奥に潜んでいることがあるのです。
その場合、高温多湿になって環境が整うとまた活動が活発になります。
夏は靴の中が蒸れやすくなるので、五本指ソックスを履くか、下駄や草履、サンダルを履くようにして、靴は何足かをローテーションさせるといいです。
履いた靴は除菌スプレーをかけてからよく乾かしましょう。
自分だけでなく、家族も水虫だったのなら、家族の水虫が完治するまで要注意です。
交代で水虫をうつし合わないよう、協力して水虫を治す必要があります。
水虫 感染
水虫が感染しやすい場所として、真っ先に注意したいのが、公衆浴場のバスマットです。
プールの足拭きマットも同じくらい危険でしょう。
他にも、水虫が感染しやすい場所はあります。
居酒屋など不特定多数の人が座る座布団です。
飲食店などのトイレにおいてあるスリッパも、裸足で履くのは危険だと思います。
日本人の水虫感染者は十人に一人とも五人に一人ともいわれていますから、ちょっと油断すればあなたも感染してしまうのです。
水虫といえば、中年の男性という印象がありますが、最近では若い女性にも増えています。
蒸れやすいブーツやストッキングが水虫の繁殖を手助けしてしまっているのです。
スーパー銭湯やスポーツジムのシャワー室などで、不特定多数が使った足拭きマットで足を拭いた後は、必ず帰宅してから足をよく洗って乾かしましょう。
一時的に白癬菌が足についても、洗って落としてしまえば感染の心配はありません。
水虫の患者がいる可能性のある皮膚科のスリッパや汗をかいた人の多い夏の居酒屋の畳などにも注意してください。
水虫が特に感染しやすいのは、湿気が多くなる梅雨時期から夏にかけてです。
夏にはサンダルやミュールなどを裸足で履く人が増えるので、外出先で靴を脱いだら足をよく洗う習慣をつけるとよいでしょう。
家族が水虫に感染していると、その人が裸足で歩いただけで家中のいたるところが水虫が感染しやすい場所になります。
水虫の感染者が裸足で歩かないように、バスマットなどを共有しないように気をつけてください。