頭部の多汗症の解消法・治療法
多汗症が起こる部位には色々ありますが、頭部の汗は隠す事が出来ないので、悩んでいる方も多いと思います。
原因は精神的なものが多く、人前に出る時や、緊張している時など、ストレスを感じた時に頭に汗をかいてしまいます。
頭部の多汗症の方は、暖房の効いた部屋だと、冬でも大量に汗をかいてしまうことが多いです。
こういう頭部から流れるほどの汗をかく多汗症を頭汗と呼びます。
では、頭部の多汗症を解消・治療するには、どうすれば良いのでしょうか?頭部の多汗症の方は、頭部の皮脂腺が詰まっている場合が多いので、シャンプーで丁寧に頭部を洗う事が一番の対策法です。
時間をたっぷりと掛けて、意識的に頭皮を清潔にすることをイメージしながらシャンプーをしましょう。
頭部の多汗症の症例は、手足に比べると少ないので、多汗症の解消法についても情報が少ないのです。
例えば、手術を行っても、手や足に比べると完治の確率は低いと言われています。
それでも、頭部の多汗症の完治の確率は80%程度はあります。
約20%の方は、症状は軽くなっても完治しないと思われますので、治療しても完治しなかった方や、手術がどうしても嫌な方は、自分で汗を抑える対策を考えなければなりません。
胸の乳輪の辺りを強く圧迫すると、頭部の汗を抑えられると言われています。
しかし、この方法は下半身の汗が増えてしまうという難点があります。
それに、この方法の効果は一時的なので、大切な用事がある時などの対策としてやってみるといいと思います。
多汗症 ボトックス治療と効果
多汗症の治療には、かなりの時間が掛かりますので、ボトックスという注射をする治療法が最近注目されています。
ボトックス治療法は、精神的なものが原因の多汗症には非常に効果があります。
ボトックス治療を行うと、通常、効果の持続期間は3~4か月間という事でしたが、ボトックス治療を行う部位によっては半年以上効果が持続する事もわかっています。
それは、半年ほどでボトックスが交感神経の末端からはずれて、体の外に排泄されてしまうからです。
そうすると、また汗をかき始めるという理論です。
ところが、半年経っても汗をかき始めない人がいたのです。
ある病院で実際に、半年を経過しても汗が減っているか、ボトックス治療を受ける前よりも明らかに汗が少ないままの人が半数近くいました。
これは、1回のボトックスの注射で多汗症が完治する可能性があるという事です。
この理由は精神的なもので、ボトックス治療の効果を体験して多汗症への不安が自信に変わったからです。
その自信が、多汗症以外の他の事に意識を向かわせて、多汗症への不安が減ったという好循環をもたらしたのです。
ただ、全ての人にこれが当てはまるとは言えません。
神経質で物事にこだわる人は、ボトックス治療の効果期間が終わると、また汗をかき始めて、再び注射が必要になってきます。
でも、そのような方でも、前のボトックス治療よりも少ない量で同じ効果が得られます。
このような事からボトックス治療は、多汗症にはかなりの効果があると言えるでしょう。
全身の多汗症の原因
全身の多汗症の原因は、精神的な問題が一番大きいと言われています。
しかし、精神的な問題だけではなく、いろいろな原因が考えられます。
また、複数の原因が重なって多汗症になってしまう事もあります。
多汗症の原因をいくつかあげてみますが、まずは精神的なストレスや緊張・不安です。
私達が制御できない自律神経の中に交感神経がありますが、この働きが強くなると、汗が出やすくなります。
これは、ストレスや緊張・不安を感じると起こるものです。
次に、病気や疾患が原因の場合ですが、この場合の多汗症は部分的に起こる事はほとんどなく、全身性多汗症に区別されます。
ホルモンバランスの乱れでも全身の多汗症が起こる事があります。
これは、脳の視床下部という所がホルモンの分泌をコントロールしていますが、その器官が崩れると多汗症となってしまうものです。
更年期の多汗症もありますが、更年期になると女性ホルモンが減ってきて、バランスが崩れて体温調整の機能が低下して多汗症になるものです。
遺伝は直接の原因でなくても、ある程度関係している場合もあります。
性格が遺伝して、精神的な原因で多汗症になる可能性もあるでしょう。
熱い物や辛い物を食べた時にかく汗は正常ですが、過剰に汗をかく場合は多汗症と呼ばれることもあります。
タバコやコーヒーに含まれているニコチンやカフェインには、「中枢神経興奮剤」が含まれていて、それらを過剰摂取すると多汗症になりやすくなります。
ちなみに、肥満は多汗症の原因ではありませんが、肥満の人には多汗症の人が多いと思われています。