頚椎椎間板ヘルニアの対策・治療法
頸椎椎間板ヘルニアの対策法ですが、どんな病気でも基本となる「安静」が一番です。
頸椎椎間板ヘルニアは頸椎の病気ですから、安静にしている事が特に重要です。
なるべく動かないようにして、安静にしている事で、体の持っている自己修復再生能力により痛めた部分が段々と修復されていくからです。
それに、安静にしていると、痛みを起こす刺激が抑えられますから、神経の過敏状態を鎮めるのにも効果的です。
痛み、運動神経の麻痺、しびれなどの症状が出たら、とにかくまずは安静にしてください。
頸椎椎間板ヘルニアの治療としては、首と上肢の症状に対して徹底的に保存療法をすることが効果的です。
つまり、「頸椎に負担をかけない事」が保存療法の基本になります。
頸椎椎間板ヘルニアの中でも急性で症状が重い時には、多少の胃腸障害やむくみなどの副作用があっても効果が強い薬を短期間だけ服用します。
症状があまり重くない場合には、効果は弱くても副作用の少ない薬を服用した方がいいですね。
使用する薬は、非ステロイド系炎症剤といって、痛みを起こしている部位の炎症を抑えて、鎮静効果を発揮するものです。
内服の他に座薬もあるので、胃腸の弱い人は座薬を使用するといいでしょう。
その他に、筋弛緩剤を使用することもあります。
頸椎椎間板ヘルニアは、痛みの発生によって、異常に筋肉が緊張して患部に血行障害が起こり、その結果、痛みを誘発する発痛物質というのが患部に滞って、余計に筋肉の緊張が亢進して、痛みの悪循環を繰り返します。
筋弛緩剤は、この悪循環を取り除くために使われます。
頚椎椎間板ヘルニアの症状
頸椎椎間板ヘルニアの症状は、まずは首の痛みや肩こりから始まって、一部の人には上肢の神経根症状があり、さらに、胴や手、腕の脊髄症状が加わってくることもあります。
初めの局所症状のうちは、ただの寝違えの診断で済まされる事も多いようですが、痛みがひどくなったり、治らないようなら、再度病院に行った方がよいでしょう。
頸椎椎間板ヘルニアかどうかの診断法としては、色々な姿勢をとってみて、痛みが強くならないか確かめるという方法もありますが、素人に判断するのは難しいと思います。
頸椎椎間板ヘルニアは、発症する位置の高さによって、手足に出てくる腫れや痛みの場所、触覚や痛覚などの知覚障害が起こる場所に違いが見られます。
一般的には、ヘルニアが発症した椎間板の高さに連動して、首から肩、腕へと症状が起こる場所が変化していきます。
例をあげてみると、右手の薬指や小指に知覚障害が現れていれば、第7頸椎と第1頸椎の間の頸椎椎間板ヘルニアだと診断されるはずです。
頸椎椎間板ヘルニアをレントゲンで診断する事は難しいですが、CTやMRI、脊髄造影などを行えば、椎間板の状態を詳しく見る事が出来ます。
頸椎椎間板ヘルニアの詳しい症状としては、神経根症状では首から肩、肩から腕、腕から指へのしびれや痛み、咳やくしゃみをしたり、首を後ろに反らすと肩甲骨や手、指に電気のような痛みが走る、肩や肘、手や指の筋力が低下して思うように動かせないなどがあります。
他に、肩や首や背中が重く感じる、頭痛や耳鳴り、目がチカチカする、上下肢のしびれ感や痛み、灼熱感や冷感、筋力低下、足が突っ張って歩きにくい、筋肉痛のような違和感などがあれば、頸椎椎間板ヘルニアを疑ってみた方がいいでしょう。
首の痛みと病気の関係
首に痛みが出る病気の可能性として一番大きいのは、頸椎椎間板ヘルニアです。
この病気は40歳から50歳くらいの人に多く発病され、首の痛みの他にも背中の痛みや肩こり、手や腕の痛みやしびれなどの症状もあります。
ひどくなると、歩行困難になったり、排尿障害などの症状が出ることもあるのです。
頸椎椎間板ヘルニアの原因は、加齢による頸椎の変形が元となりますが、そこに運動負荷が加わると、さらに起こりやすくなってしまいます。
首の痛みはとても激しくて、朝のうちは痛みがそんなにひどくなくても、昼から夕方になるにつれ、首の痛みが強くなるという特徴があります。
他にも、首に痛みが出る病気としては、変形性頸椎症があげられます。
首や背中を構成する椎間板や椎骨は、20歳を過ぎてからゆっくりと老化していきます。
椎骨と椎骨の間にあるクッションの役目をしている椎間板は、加齢と共に水分が減っていって弾力性がなくなっていき、体の重みによって潰れていきます。
その潰れた椎間板が椎骨の間からはみ出ると、それをかばうために椎骨の端が伸びて、とげのような骨が作られ、それが神経に当たって首に痛みが起きます。
以上のような症状を変形性頸椎症と呼び、中高年に多い病気となっています。
誰にでも起こる可能性がある老化現象による病気なので、今までにない痛みや症状を感じたら、早めに病院に行くようにしてください。
初期症状は軽いので、そのうち治ると放置していると、どんどん症状が悪化していってしまいます。