多汗症 顔の場合

暑くもないのに顔にだらだらと汗をかく、顔の多汗症。
女性ならメイクが崩れてしまいますし、男性でも顔から汗が噴き出ているのは不潔な印象を与えてしまいます。
顔に制汗剤を吹きつけるわけにはいきませんし、困っている人も多いのではないでしょうか。
また、残念ながら顔の多汗症は手や足と違って手術の効果が出にくいとされています。
手術という最終的な解決策が使えない以上、顔の多汗症は日常の小さな対策を重ねることが重要となるのです。
顔の多汗症、第一の対策は、気にしすぎないこと。
これは手のひらやわきの下の多汗症にもいえることですが、顔はつい何度もハンカチで拭くなどしてしまいます。
大勢の人があなたに注目しているような場面ならいざ知らず、例えば満員電車や教室の片隅であなたが大汗をかいていることに気づいている人はどれくらいいるでしょうか？気にしすぎることで逆に汗の量が増えることもありますから、ちょっとぐらい汗をかいても平気、と思うようにしましょう。
制汗剤の使えない顔の多汗症の救世主として塩化アルミニウム液がありますが、顔は手のひらよりもずっとデリケートですから、塗り方には注意が必要です。
必ず医師や薬剤師に相談してから買ってくださいね。
また、汗が出てきたなと思ったら胸の上を強くつねるのも効果的。
胸が圧迫されることで一時的ではありますが、顔の汗を減らしてその分、他の部分から汗が出るようになります。
覚えていて損はない多汗症対策テクニックです。

多汗症 手のひらの場合

多汗症の中でも多くの人が困っている手のひらの多汗症。
手のひらはいろいろな物をさわる部分ですから、汗をかくのを気にする人が多いのです。
デートの時に緊張して手に汗をかき、手がつなげなかった経験はありませんか？学校のテストや会社の重要書類が湿って台無しになったことは？汗で手をすべらせ、持っていた物を落としてしまったことがある人もいるでしょう。
手のひらの多汗症とは思った以上に厄介なものなのです。
手のひらの多汗症は手のひらが湿っていて、明るいところだと汗がきらきらと光って見える程度のものから、手のひらから汗の雫がしたたり落ちるほどのものまであります。
手のひらが湿る程度ならそれほど心配することはないのですが、例えば初対面の人と握手をしてイヤな顔をされたなどの経験があると、症状が進んでしまうこともあります。
多汗症は精神的なものだけが原因ではありませんが、汗をかくことを極端に恐れてしまうと余計汗が出るという負のスパイラルに陥ってしまうことも。
まずは気を楽に持ち、ハンカチを持ち歩くなど最低限の対策を忘れないようにしましょう。
手のひらの多汗症対策として評判が高いものに塩化アルミニウム液があります。
最近ではインターネットで手に入れる人も増えていますが、薬は使い道を間違えると毒にもなってしまいます。
どうしても使ってみたいのなら、きちんとした薬局で買うなり、多汗症の治療として医師に処方してもらうようにしましょう。

多汗症 手術

多汗症、特に手のひらの多汗症は手術で完治が望めます。
多汗症治療のために行われる手術は、交感神経を切除するというもの。
交感神経が活発に動く時に汗をかくのが多汗症なので、この交感神経の余分な分をなくしてしまうことで汗をかかないようにするのが目的です。
多汗症手術はまず全身麻酔をし、わきの下に小さな穴を開けます。
そこから胸腔鏡を挿入し、胸部交感神経を切除するのです。
手術時間はおよそ３０分、入院することもほとんどありません。
ところで、この手術、どこの多汗症に効くものかわかりますか？わきの下？いいえ、違います。
答えは、手のひら。
手のひらの汗を止めるのにわきの下から手術をするなんて不思議ですが、それだけ交感神経は色々なところに伸びているということですね。
ちなみに、足の汗を止めるには腰付近の交感神経を切除します。
さて、手のひらの場合は先述の手術でほとんど多汗症が治ります。
手術跡も目立たなくいいことずくめのようですが、少なからずデメリットもあります。
それが代償性発汗。
代償性発汗とは、多汗症の手術後に手のひらの汗は止まっても、別のところに汗をかくようになること。
人によってまったく代償性発汗が起こらないこともありますが、そういうこともあると知っておいた方がいいでしょう。
他にも手が乾きすぎる、頭痛がするなどの副作用が出ることもあります。
メリットだけではない多汗症の手術。
信頼のおける医師とじっくり相談してから行ってください。