発達障害 診断
発達障害の診断については、今のところ、基準がひどくあいまいです。
診断する医師や診断した時期によって、違う診断名をつけることもよくあるようです。
身近にいる親が、他の子供との違いや育てにくさを感じて診断を受けても、はっきりとした診断名がつかないこともあります。
発達障害だということがはっきりして、具体的な診断名がわかれば、学校や周囲の人に伝えることもできますが、発達障害かどうかもわからない状況では、ただの問題児と思われてしまいがちです。
発達障害の専門医なら、より正確な診断ができることもありますが、混み合っていて診断が受けづらいこともあるでしょう。
はっきりとした診断名がわからなくても、療育のための施設に通うことはできるはずなので、最寄の施設に相談してみてください。
療育のための施設には、病院の付属施設、民間の施設、地域の通所施設、NPO法人が運営している療育施設などがあり、その療育施設によって、療育の内容にも違いがあるでしょう。
自分の子供が発達障害だと診断された場合、大抵の親はショックを受け、絶望的な気持ちになります。
中には、診断名がはっきりしたことで、自分の育て方のせいではないと安心したり、今後への対策が立てやすくなったと感じる人もいますが、だからといって、すぐに全てを受け入れられるわけではありません。
つい他の子と比べて落ち込んでしまったり、自分の子の将来を悲観してしまうこともあるでしょう。
一人で悩まずに、同じ発達障害の子供を持つ親が書いた本やブログを読んでみてください。
発達障害の子供を持つ親の会などに入るのもいいと思います。
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、アスペルガー障害とも呼ばれ、自閉症の一種だと捉えられています。
軽度の自閉症、知的障害がない自閉症などといわれることもありますが、自閉症よりも困難の程度が軽いというわけではありません。
日本では最近になってようやく知られてきた病気なので、周囲の理解を得にくいこともあるようです。
両親はもちろん、本人でさえ、自分がアスペルガー症候群だと気付いていないこともあります。
100人から200人に1人の割合(男性の方が多い)で発症する発達障害で、生涯治ることはないのです。
アスペルガー症候群は、個人差が大きく、人によって現れる症状やその程度が違います。
アスペルガー症候群は、外見からでは障害を持っていることがわかりません。
コミュニケーション能力が不足していたり、人の気持ちがわからないというのが、一般的なイメージですが、普通に話ができたり、人並み以上に学校の成績がいい人もいるので、ケースバイケースです。
漢字が書けないなど学習障害があることもありますが、大抵の場合は、人より苦手なことがある分、人よりも何かが際立って得意だったりします。
アスペルガー症候群の特有の症状にもかかわらず、その態度や反応が、だらしない、反抗的などと誤解されてしまうことも少なくないため、学校に適応しづらい子も多いでしょう。
いじめの対象になってしまうこともあります。
運動が苦手だったり、音や光に過敏な反応をしたり、味覚や嗅覚が鋭敏なことが多いようです。
adhdとは
ADHDとは、Attention Deficit/Hyperactivity Disorderの略で、注意欠陥多動性障害と呼ばれる発達障害の一種です。
アメリカ精神医学会の定めた「精神障害の診断と統計の手引き」では、行動障害に分類されています。
ADHDの子供は、年齢相応の落ち着きがなく、注意を集中していることができません。
何かを思いついたら衝動的に行動してしまうので、おとなしくしていなければならない状況で、急に立ち上がってうろうろしたりしてしまいます。
ADHDの原因は、脳の中枢神経系の機能不全と考えられているものの、まだわかっていないことも多い病気です。
遺伝的な要因も指摘されており、親のしつけや育て方は関係ありません。
6歳~15歳の子供の3~7%がADHDといわれていますから、それほど珍しい病気ではないのです。
症状に個人差があり、成長していくに従って治まっていくこともありますが、30%くらいは大人になっても症状が残ってしまうことがあるでしょう。
大人になってから、ADHDだと診断されることもあるようです。
根気よく心理社会的治療を行っていくことで、症状をコントロールできるようになるといわれています。
薬物療法で症状を抑えながら、社会生活への適応努力をするというのが現在の主な治療法です。
ADHDの子供は上手く社会に適応できれば、人並み以上の知性や芸術性、創造性などを発揮することもあります。
しかし、周囲の理解と適切なサポートが得られなければ、引きこもりになったり、他の精神疾患を併発する可能性もあるのです。