更年期 ホルモン補充療法
更年期の辛い症状は、ホルモン補充療法(HRT)を行うと劇的によくなることがあります。
更年期障害の症状であるホットフラッシュ、発汗、うつ、不眠、無気力、粘膜の乾燥、関節痛、骨粗しょう症などで日常生活を送ることが困難なら、ホルモン補充療法(HRT)を検討してみるといいかもしれません。
ただし、高血圧症や肝機能障害、子宮筋腫や子宮内膜症、乳がん、子宮体がんなどの持病がある人に対しては、ホルモン補充療法(HRT)を行えないことになっています。
過去に脳卒中や肝硬変、心筋梗塞を患ったことのある人も、ホルモン補充療法(HRT)を受けられません。
ホルモン補充療法(HRT)の方法によって、安全性に大きな違いがあるといわれており、貼り薬と飲み薬では貼り薬の方が副作用が少ないようです。
予想される副作用としては、乳房の張りや不正出血、動脈硬化、冠動脈疾患、頭痛、腹痛、嘔吐などがあります。
長期のホルモン補充療法(HRT)は、乳がんなどの危険性が高まることもあるそうですから、ホルモン補充療法(HRT)を行う際は、半年か一年ごとに乳がん検査、血圧測定、コレステロール検査などの健康診断を受けるようにしてください。
更年期障害の症状に合わせて複数の薬を飲み続けるくらいなら、ホルモン補充療法(HRT)をした方が快適に日常生活を送れる人もいるでしょう。
でも、ホルモン補充療法(HRT)を行っても、副作用であまり辛いのが変わらなかったら、漢方薬や鍼灸治療など、他の治療法の方が合っている可能性もあります。
更年期 かかりやすい病気
更年期以降にかかりやすい病気としては、子宮体がん、乳がん、卵巣がん、卵巣膿腫、子宮筋腫、子宮下垂や子宮脱、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、高脂血症、高血圧症、バセドウ氏病、膀胱炎、糖尿病、萎縮性膣炎(老人性膣炎)、骨粗しょう症などがあげられます。
女性ホルモンの減少により、更年期以前よりも病気にかかりやすくなりますから、定期的に健康診断などを受けた方がいいかもしれません。
中には、自覚症状があまりない病気もありますが、ちょっとでも不調を感じたら、面倒がらずに病院で検査するようにしてください。
更年期以降は、基礎代謝が落ちますから、今まで以上に太りやすくなります。
太ることでかかりやすくなる病気も多いので、規則正しく健康的な食生活や適度な運動を心がけましょう。
更年期には、肩こりや腰痛がひどくなることもありますし、動悸や息切れ、胸部不快感などの症状がでることもあるようです。
のぼせや冷えが同時に起こったり、めまいや耳鳴り、不眠、頭痛など、様々な不快感が起こることがあるので、更年期による体の不調なのか、病気によるものなのか、判断がつきにくいと思います。
不快な症状が、我慢できないほど辛かったり、頻度が高かったり、長引くようなら、念のため、病院に行った方がいいでしょう。
漢方薬や鍼灸治療、サプリメントなども上手に取り入れると、不快な症状を緩和できるかもしれません。
更年期の前と後では、女性の体の状態は大きく変わります。
無理をせずに、体をいたわるようにしてください。
更年期 うつ
更年期には、うつ症状が起こりやすくなります。
すぐに憂鬱な気分になる、何もする気がおきない、なかなか眠れない、食欲がない、イライラする、くよくよする、自分なんて価値がないと思うなどの症状があれば、一度、精神科や心療内科を受診してみましょう。
更年期のうつは、ホルモン補充療法(HRT)を行うとよくなることがありますが、副作用がある治療法なので、抗うつ剤や催眠剤を服用する方がいい場合も多いかもしれません。
自己評価式抑うつ性尺度(SDS)を使って、自分のうつ度をチェックしてみるのもオススメです。
更年期にはうつ症状が起こりやすいものだから、放っておけば治ると思って我慢していたら、うつ病が悪化していたなんてこともあります。
どうしても、心療内科や精神科を受診するのに抵抗があるなら、漢方医に相談したり、鍼灸治療を受けるのもいいでしょう。
何もしないで我慢するのが、一番よくありません。
更年期の症状の辛さは人によっても違いますし、家族や友人などの身近な人にも理解してもらえないことがあるようです。
更年期の症状でうつ状態になってしまって、家事が思うようにできなくて自分を責めたり、家族に責められたりすることもあるかもしれません。
更年期障害の症状がそれほど重くなかった姑などは、「だらしない」とか、「甘えている」とか、「気力でなんとかなる」ということもあるのだとか。
でも、うつ症状は気力ではどうにもなりません。
むしろ、がんばろうとするほど悪化する恐れがあるので危険です。
自分を責めたり、ちらりとでも自殺を考えたりする前に、専門家に助けを求めてください。