口臭と歯周病、歯槽膿漏の関係
口臭の原因として考えられるのは、第一に口の中の問題があります。
歯周病や歯槽膿漏が炎症を起こしている場合、大きなムシ歯がある場合などに口臭は起こります。
口臭の原因となる物質には、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドと言う3種の硫黄化合物があり、これらは口の中の種々な細菌の代謝産物として口の中に存在しています。
この口臭の原因となる硫黄化合物を生み出す細菌は、ほとんどが嫌気(けんき)性菌と通性嫌気性菌で、歯周ポケットやムシ歯の穴の中、厚い舌苔の中に潜んでいます。
歯周病、歯槽膿漏の原因となる細菌は嫌気性菌です。
ですので、歯周病、歯槽膿漏の人は口が臭いと言われてしまうのです。
ちなみに、歯周病は歯のまわりが炎症を起こしたりする病気で、歯肉炎、歯周炎に分けられます。
歯肉炎は、歯肉(歯ぐき)の部分が炎症を起こしている状態です。
歯周炎は、歯の基礎部分である歯槽骨などが侵されていきます。
歯周炎の場合、歯自体が大丈夫でも歯を支えている部分が弱っていき、歯を失う危険性がとても高くなります。
中でも、炎症が進んで歯を支えている場所から膿が出ているものを歯槽膿漏と呼び、この歯槽膿漏による膿が口臭の原因にもなっています。
歯周病、歯槽膿漏は歯磨きにより予防が出来ます。
歯周病や歯槽膿漏による口臭で悩まないようにする為にも、普段からの歯磨きで予防する事が重要と言えるでしょう。
口臭を予防するには
あなたの口臭予防には、その口臭の種類に応じた予防法を行うようにする事が大切です。
生理的口臭は、唾液の分泌量の調節や、唾液の代わりとなる水分の補給をすることで、口臭を抑える事が出来ます。
あなたも、緊張して喉がカラカラになった経験はありませんか?そんな時も口臭の原因となるので、緊張した時やその後などには水分を摂って口の中を潤すなどの工夫が必要です。
飲食物・嗜好品による口臭は、食べた物や飲んだ物に起因しているので、牛乳を飲む事や、歯磨きをする事などで予防する事が出来ます。
焼肉や餃子などを食べたり、アルコールを多量に摂取した場合は、どうしても口臭がきつくなりますよね。
そんな時は、ガムを噛んで唾液の分泌を促したり、マウススプレーを使用したりして口臭予防を行うようにしましょう。
このような治療を必要としない口臭の場合には、毎日の食生活の改善や、正しいブラッシング法を身に付ける事で、口臭予防に効果が期待出来ます。
治療が必要となるような口臭は、やはり一度歯科医と相談すると良いでしょう。
虫歯が原因であれば、専門的な治療が必要になりますし、入れ歯そのものに口の中の臭いが染み込んでしまっている場合もあります。
また、歯周病の場合にも治療が必要ですが、今では歯周病に効果のある歯磨きも発売されています。
歯周病に効果のある歯磨きで、毎日しっかり口の中をケアしていけば、あなたの口臭はかなり改善され、また、今後の口臭予防にも効果が期待出来ます。
口臭の種類
ひとくちに「口臭」と言っても、種類にはいろいろあります。
生理的口臭、飲食物・嗜好品による口臭、治療が必要となる病的口臭などです。
生理的口臭は誰にでもみられるものですが、そのにおいの強さは口の中の細菌の数、汚れの成分、唾液の量などによって異なる事があります。
また、緊張したときやおなかが空いている時にも、生理的口臭は強くなります。
このように、生理的口臭は1日のうちで変化する事もあり、においがゼロになる事はありません。
健康な人でも口臭が一時的に強くなる時がありますので、必要以上に神経質になる事は避けましょう。
飲食物・嗜好品による口臭は、一般的に言われているネギ、ニラ、ニンニクなど、においの強い食料の料理を食べた後の口臭や、アルコールを摂取した後の口臭です。
このような飲食物や嗜好品による口臭は、時間の経過とともに減少する口臭ですので、それ程気にする必要はないでしょう。
治療が必要となる病的口臭の約90%以上は、口の中の汚れや病気が原因で発生しています。
歯周病や唾液分泌の減少、多量の舌苔付着や入れ歯の清掃不良、そして、進行したムシ歯などが原因としてあげられるでしょう。
このような治療が必要となる病的口臭の場合は、原因を突きとめ、適切な治療やケアをすることが大切です。
まずは口臭の原因を突き止める為にも、口臭が気になったら歯科医院で相談してみる事をおすすめします。